「クラウド事業を伸ばし革新的なIT企業になる」――米VMware・ゲルシンガー新CEO

ヴイエムウェアの事業戦略説明会に本社CEOのゲルシンガー氏が登壇。今、同社が注力するクラウドプラットフォームとは。

» 2012年11月05日 17時05分 公開
[伏見学,ITmedia]

 ヴイエムウェアは11月5日、都内で事業戦略説明会を開催した。今年9月に米VMwareのCEOに就任したばかりのパット・ゲルシンガー氏が来日し、クラウドを軸とした近未来の方向性を示した。

米VMwareのパット・ゲルシンガーCEO 米VMwareのパット・ゲルシンガーCEO

 新CEOになって2カ月が過ぎた。ゲルシンガー氏はVMwareの現状の課題について「ビジネス、エンジニアリング、対顧客などの面でまだ成熟度が足りない」と述べる。もちろん主力の仮想化ソフトウェア製品などの売り上げは好調だが、「今後は全体的に規模を大きくして、成長していくことがチャレンジだ」と意気込む。事業拡大に向けて鍵となる分野の1つがクラウドだ。同分野において、米Microsoft、米IBM、米Oracle、米Amazon、米Googleといったビッグカンパニーと競争していくために、成長を遂げ、「革新的なIT企業になる」(ゲルシンガー氏)ことが不可欠だという。

 クラウドをはじめ、ビッグデータ、モバイル、ソーシャルメディアなどさまざまなITトレンドがユーザーの関心を引く中、VMwareが力を注ぐのは包括的なインフラ基盤の構築だ。そのためのビジョンとして同社は「Software-Defined Datacenter」を掲げる。これは、ストレージやサーバ、ネットワーク、セキュリティ機能、マネジメント機能などのインフラが仮想化されたサービスとして提供され、それらすべての制御はソフトウェアが行っているデータセンターを表す。そのビジョンに対する具体的な製品がクラウド基盤スイート「vCloud Suite」である。この統合的な製品を活用することで、ユーザーは仮想化環境を今まで以上に簡便かつスピーディーに構築できるようになるという。

 vCloud Suiteは日本市場においてもビジネスの広がりを見せているという。ヴイエムウェアの三木泰雄社長は「クラウド基盤を武器に従来のインフラ設計から上流のコンサルティングまで提案の幅が広がっている」と話す。

 また日本市場全体については、「サーバ仮想化製品、仮想デスクトップ製品ともに売り上げ拡大を続けており、高いマーケットシェアを維持している」と三木氏は胸を張る。大企業では、部門導入から全社導入、あるいはプライベートクラウド構築のための活用と、横展開が進んでいる。中堅・中小企業でも、首都圏のみならず地方企業での採用も増えているとした。

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