災害時のクラウド活用を支える情報セキュリティ技術、産学連携で開発

自治体の被災者支援業務をクラウドサービスで安全に行えるよう、早大や東海大とITベンダーら産学連携で関連技術を開発した。

» 2013年01月09日 15時01分 公開
[ITmedia]
開発した技術(上から1、2、3)

 早稲田大学と東海大学、日立製作所、NEC、KDDI研究所は1月9日、災害時に自治体が被災者支援業務をクラウド環境で安全に行えるようにするための情報セキュリティ技術を共同開発したと発表した。1月中旬から福島、宮城、岩手の3県で実証実験を開始する。

 開発した技術は、(1)平常時の認証方式に依存しないクラウド向けの柔軟で安全な認証を実現する認証基盤技術、(2)クラウドを活用した災害関連情報の自動振り分け技術、(3)クラウド上でのプライバシー保護型災害対応支援技術――の3点。

 (1)は被災時に確保でき得る方式によってまず認証し、その結果に利用する時間帯や場所、回線、認証の可否の履歴といった情報を加味して総合的に認証レベルを算出する。(2)は災害時にソーシャルサイトなどへ大量投稿される情報に自動的にラベルを付け、クラウド上のサーバで最適なシステムに情報の振り分けを行えるようにする。(3)はデータを暗号化したまま処理する。プライバシー情報などをクラウド環境で保護したまま活用できるようになるという。

 実証実験では指静脈認証方式やタブレット端末などを用いた業務で、情報セキュリティレベルを維持しながら住民情報へのアクセスできるかなどを確認することにしている。期間は2月上旬までで、各地の住民も実証実験に参加する。

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