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» 2013年02月01日 08時00分 UPDATE

2013年新春特集「負けない力」:「世界初」を生み出す技術力で勝負――NEC・保坂執行役員 (1/2)

ビッグデータ事業の強化に取り組むNEC。同社が顧客企業に競争優位力をもたらす源泉とは――。ITプラットフォーム事業の保坂岳深 執行役員に聞く。

[聞き手:石森将文、構成:本宮学,ITmedia]

――2012年の振り返りをお願いします。

保坂氏 昨年はタイの洪水によって現地の工場がダメージを受け、HDDなどの商品を出荷できないといった不安の中で正月を迎えましたが、その後1年をかけて持ち直すことができました。

 一時は欧州の経済情勢が悪化し、景気が低迷した時もありました。売上額で見れば、前半は芳しくありませんでしたが、春ごろになって陽が差し、秋口には再び曇りがかってきたものの、年末年始にかけて好転してきたという状況です。為替相場の動きも、当社にとってプラスの方向になりつつあると感じています。

photo 保坂岳深(たけみ)執行役員

――IT市場の変化は感じていますか

保坂氏 昨年末の政権交代をきっかけに、顧客企業の意識が「上」を向くようになりました。そもそも経済は企業や個人の気分が明るくならないとうまくいきませんよね。

 その影響でしょうか。最近は、コスト削減よりも「何にお金を使って事業を伸ばすか」という方向に関心が移りつつあるようです。自社の顧客に対してより高い満足度を提供するためにはどうすればいいかを考える企業が多くなってきました。

 その方法の1つが「ビッグデータ」でしょう。当社は昨年、ビッグデータ関連のソリューションをいくつも発表しましたが、顧客の目的意識は主に「マーケティング」「システム運用保守」「リスク管理」という3点に集まりました。特に、マーケティングと運用保守に対する引き合いが多かったですね。

 ビッグデータの活用に積極的なのは、やはり世の中で先進的と評価されている企業や、グローバル市場に活路を求める企業が中心です。業種的には、流通業や製造業などが目立ちます。一方、国内だけでビジネスを展開している企業も、少子高齢化が進む中で競争に勝ち抜くため、新しいことに取り組もうとする傾向があります。

 昨年前半は「既にたくさんあるデータを活用して先を予測しましょう」といった話が目立ちましたが、最近は「今日の店舗状況はどうだったか」など、よりリアルタイム性の強いデータ分析に関心が集まりつつあるようです。当社が企業から受ける商談も、そうしたものがかなり多くなっています。

 例えば小売業なら、店舗内をカメラで撮影し、顔認証技術によって顧客の性別や年代を推定することで「ある特定の年代の顧客が多いから、それらの層に向けてマーケティングを強化しよう」といった形でデータを活用できます。性別や年代が分かるだけでもこうしたことができますし、さらに曜日、時間などのデータと組み合わせることで、より精度の高いマーケティングも可能になります。

――多くのITベンダーがデータ分析ソリューションを提供していますが、NECならではの強みは何でしょうか。

保坂氏 当社の強みは、独自の分析エンジンによって顧客に価値を提供できることです。昨年9月にビッグデータのリアルタイム分析技術を発表し、11月には顔認識技術を活用したデータ分析クラウドサービスを発表しました。このように、当社は毎月のように新しい技術や製品を発表しています。

 特徴ある分析エンジンを使って顧客に価値を提供しようという動きは、他のITベンダーにはあまり見られません。それに加え、性能的にも「世界初」「国内初」と胸を張れる技術を数多く生み出せているのが、当社の強みです。

 例えば小売業におけるPOSデータは購買活動の「結果」しか表しませんが、当社の画像解析技術を組み合わせれば購入に至るまでの「プロセス」も分かるのです。そうした「関連性の分析」が、今後重要性を増すでしょう。

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