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» 2013年02月28日 10時00分 UPDATE

IT現場ウォッチャー・村上福之が斬る!:“ソーシャル社員”は歩く時限爆弾? 炎上を防ぐためにIT部門ができること

TwitterやFacebookなどの利用につきまとう“炎上”の危険性。企業がソーシャルメディアを活用する場合の炎上リスクについて、IT部門はどう考えればいいのか。「ソーシャルもうええねん」の著者でもあるクレイジーワークス総裁の村上福之さんに寄稿してもらった。

[PR/ITmedia]
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 企業がソーシャルメディア上で“炎上”する事件がたびたび起きています。2012年10月には、ファッション通販「ZOZOTOWN」を運営するスタートトゥデイが、社長のTwitter上の発言によって炎上しました。また同年12月には、ヤマダ電機のPR用Twitterアカウントが、地震直後のツイート内容をきっかけに炎上する事件も起きました。

 こうした炎上事件がその企業の業績に直接影響するかというと、ケースバイケースのため一概にはなんとも言えません。しかしながら、ネット上には無駄にリテラシーが高くて、無駄に影響力を持っている人たちが無駄に多いので、やはり企業のIT部門としても、ネット上のリスク管理として炎上対策を考えておいたほうがいいように思えます。

なんとしても避けたい「社長」「広報」の炎上

 アイティメディアの調査によると、企業のソーシャルメディア利用ガイドラインは「情報システム部門」が作っている場合が一番多いというデータがあります。したがって、「ソーシャルメディアでなにか悪いことがあった時にはIT部門が責められるかもしれない」という認識は持っておくべきだと思います。

 一般の従業員による炎上も怖いですが、それらは多くの場合、従業員やアルバイトが個人の端末で「やっちゃった」ケースなので、技術的にどうのこうのというよりも、単純にソーシャルメディア利用ガイドラインが社内に浸透していないことが原因だと思います。

 一方、なんとしても避けておきたいのは“会社の顔”である社長や広報のアカウントの炎上です。そこで、以下ではこれらのソーシャルメディアアカウントの炎上を防ぐための方法をいくつかご紹介します。

社長がアカウントを持つケース

(1)社長アカウントは基本的に持たない方が無難

 社長のネットリテラシーが高い場合は別ですが、Twitterの社長アカウントなんて、ややこしいので持たないほうが無難です。業績のいい日本企業は、社長がTwitterアカウントを持っていない場合のほうが多いです。特に、急成長している会社に限って社長が人間的にオカシイ人だったりするので、注意が必要だと感じています。

 そもそも、社長のTwitter利用によって売り上げが伸びる業種と、伸びない業種があるのですが、一般的には、社長のソーシャルメディアアカウントごときでは伸びない業種の方が多いので、持たないほうが無難です。

(2)どうしても社長がTwitterを始めてしまったら……

 しかしながら、社長の周りがイエスマンばっかりな会社も多いので、社長がどうしてもTwitterアカウントを持ちたいと言った場合、ある程度は放っておくしかないのが現状です。

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 ただ、もしあなたの会社の社長が発言的に危険なら、フォロワーが増える前に裏でこっそり、定期的に社長をdisる(批判する)botアカウントを量産するといいかもしれません。

 「うるさいだまれ」「半年ROMってろ」「お前のツイートつまらん」「この会社の製品はいいけど、社長がちょっと……」など、社長個人をチクチク批判するようなメッセージを送りまくるbotアカウントを量産し、社長に「Twitterって怖いもんだな」と思わせたほうがいいかもしれません。

 案外、イケイケ社長は面と向かってボロカスに言われる機会がないので、結構キキます。ただ、あんまりすると本当にネット上の評判が悪くなるので、ほどほどにしておいて効果がなければ早々にbotアカウントを消したほうがいいと思います。

 もちろん、社長の人格をあからさまに否定したりするようなツイートをすると、それはそれで面倒な問題に発展しかねません。ここは現場での絶妙なバランス感覚が求められるところです。

広報アカウントのケース

 一方、企業では広報がTwitterアカウントなどを持っているケースも多いです。例えばNHKの広報アカウント(@nhk_pr)などはうまく運用されていることで非常に有名ですが、一方でヤマダ電機の場合のように、PR用のアカウントが炎上を招いてしまったケースもあります。

(1)disりメンション無視

 基本的に、一般ユーザーからのdisりメンション(攻撃的なメッセージ)は無視したほうがいいです。どうしても返事せざるを得ない無理難題を言われた場合、アカウントのキャラによっては「だが断る」などのネットスラングで一蹴するに限ります。

 @nhk_prを見てみると、実は一般ユーザーからものすごい数のメンションが来ていますが、ほとんど無視しています。素晴らしいと思います。

(2)答えられる要望や苦情は速攻で答える

 広報アカウントで好感を持たれるのは、やはり返答できる範囲の苦情や意見に対してできるだけ早く返答するアカウントです。例えばソフトバンクのTwitterアカウントなどは、うまくやっているように思います。

 ぼくも多くの企業アカウントに苦情を言ったりしてきましたが、返事をもらえるとやはりうれしいですし、その会社への印象も良くなります。エゴサーチ(自社名などをキーワードにして検索すること)をしてでも、自社の要望や苦情はできるだけ対応したほうがいいです。

(3)時事ネタは慣れないうちは言わない

 個人のアカウントで時事ネタをツイートするのはいいのですが、時事ネタは皮肉っぽくなりがちなので、よほどうまくない限りは避けたほうがいいです。時事問題というのは、誰かが得をして、他の誰かが損をすることが多いので、ネタにすると、不愉快になる人もいるように思います。


 以上、企業が炎上を回避するための方法を書いてみました。個人的には、社長アカウントは鬼門だと思っています。

 企業のソーシャルメディア利用ガイドラインはIT部門が作っているケースが多いというデータがあるように、社内で気付かないうちに「ソーシャル? よく分からんけどITに詳しい人たちで対応してくれ」という雰囲気ができあがっている可能性もあります。これを機に、自社にネット炎上のリスクがないか、見直してみてはいかがでしょうか?

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村上福之(むらかみ・ふくゆき) 1975年大阪府生まれ、クレイジーワークス代表取締役総裁。大手家電メーカーの開発者からフリーに転身し、オーストラリアの語学学校でのシステム開発などさまざまなプロジェクトを担当。帰国後に開発会社クレイジーワークスを創業、代表取締役総裁を務める。近著は「ソーシャルもうええねん」。Twitter「@fukuyuki


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提供:日本アイ・ビー・エム株式会社
アイティメディア営業企画/制作:ITmedia エンタープライズ編集部/掲載内容有効期限:2013年3月31日


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