Google AP地区プレジデントのテムサマニ氏 「Facebookの参入は歓迎だ」Google helping small business think report

ネットを活用した中小企業のビジネス支援に注力すると表明したGoogle アジア太平洋地域担当プレジデントのカリム・テムサマニ氏は、「エコシステムの確立にライバルの参入が不可欠」と語った。

» 2013年04月19日 08時30分 公開
[國谷武史,ITmedia]

 Googleは、アジア地域の中小企業のネット活用によるビジネス支援に注力すると表明した。同社が4月17日に開催したカンファレンス「Google helping small business think」で、アジア太平洋地域担当プレジデントのカリム・テムサマニ氏が日本のメディアの共同インタビューに答えた。

―― カンファレンスでの狙いは何でしょうか。

Google アジア太平洋地域担当プレジデント カリム・テムサマニ氏

テムサマニ氏 日本の中小企業(SMB)に伝えたいのは、当社がWebを活用した支援を行うことで彼らのプレゼンスを拡大させたいということです。日本のSMBは日本のGDP(国内総生産)の多くを占めており、SMBの成長は日本の成長にもつながるといえるでしょう。

 当社は、SMBがオンラインを通じてプレゼンスを高めていくことのできるツールを提供しています。ツールを活用してもらうことで海外進出の機会が広がり、海外企業と戦っていけるはずです。日本では高齢化などの問題を抱えていますが、まだまだ成長していける余地がたくさんあります。

―― Google AdWordsの活用を特に訴求しているのでしょうか。

テムサマニ氏 SMBにとってまずGoogle AdWordsが最も簡単にオンラインプロモーションを展開できるツールになると思います。検索を通じて顧客がどんなものを求めているのか、それに対するアクションはどのようなものかを知ることができ、広告効果も測定できます。効果が出なければ撤退するのも簡単ですし、効果が出れば、さらにYouTubeの動画広告などを利用して認知度を高めていくといったこともできるでしょう。オンラインプロモーションを試すという意味ではAdWordsが最適です。

―― SMBのオンラインプロモーションに、Facebookなどの競合も注目しています。

テムサマニ氏 この分野はまだ立ち上がったばかりであり、エコシステムが確立されていくには、多種多様なサービスが不可欠です。その意味でFacebookやヤフーの参入は歓迎します。その中で当社のサービスを使ってもらえるようにしたいですね。

 PCやモバイルなどの普及によってオンラインプロモーション市場は、テレビコマーシャルのように身近になるでしょう。テレビコマーシャルは資金力のある大企業にしかできませんが、オンラインプロモーションはどんな企業にもチャンスが平等にあります。当社を含めてそれを提供していく企業が多くなれば、さらに盛り上がるでしょう。

―― サービスやツールが多く、SMBにとってはかえって分かりづらいのではないでしょうか。

テムサマニ氏 2つの観点で取り組んでいます。1つは簡単なツールを使ってSMBがオンラインビジネスを簡単に立ち上げられるようにすることであり、例えば、自社サイトが無い場合でもオンラインプロモーションができる「AdWords Express」を提供しています。

 もう1つはSMBがそれぞれに意思決定できる環境を提供することです。SMBといっても、例えば、商材はローカル向けなのか、輸出向けなのかといった違いがあり、ビジネス環境は千差万別です。大事なのは、それぞれに適切な意思決定を行うことであり、それを支援する分析ツールが鍵を握るでしょう。オンラインキャンペーンを展開して、それが成功したのか、失敗したのか、その理由は何か、次に何をすべきか、といったことができる手段をわれわれは提供しています。

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