ニュース
» 2013年04月22日 08時15分 UPDATE

Google helping small business think report:ブラウザとネットで世界に飛び出す中小企業

クラウドサービスの利点に挙げられる手軽さや俊敏性を存分に生かして、世界市場に進出したりビジネスの効率化につなげたりしている中小企業の事例をGoogleが紹介した。「しがらみ」が無いことが強みだという。

[國谷武史,ITmedia]

 「今の世界経済をけん引するのは、“しがらみ”に左右されずにテクノロジーを駆使するSMB(中小企業)だ」――Googleのアジア太平洋地区SMBエンタープライズ事業を指揮するクリス・シェルトン氏は、Google Appsを始めとする同社のプロダクトがSMBの成長に貢献していると強調する。

googl301.jpg クリス・シェルトン氏

 同社が4月17日にシンガポールで開催したカンファレンス「Google helping small business think」では、AdWordsなどのオンラインプロモーションサービスを活用して急成長するアジアの中小企業事例が多数紹介された。だが、中小企業の成長を支えるのは、Google Appsなどのサービスも同様であり、シェルトン氏は「Webブラウザとインターネットさえあれば、どこからでもアクセスできる。これがGoogleのソリューションだ」と述べた。

 シェルトン氏は、Googleが中小企業向けサービスに注力する理由について、「アジア太平洋地域の企業の90%、労働者の60%がSMB」を説明する。「例えば、S&P 500の銘柄企業の生存年数をみると、1957年当時は平均75年だったが、今では10年くらいだろうか。そのように変わったのは、テクノロジーを駆使するSMBが増えているからだろう」という。それを可能にしたのがクラウドであり、「大企業向けITがWebを通じてSMBでも簡単かつ安価に調達できる。彼らにはレガシーなITのしがらみが無いだけに対応が実に速い。そのチャンスを存分に生かしている」と語る。

 シェルトン氏によれば、Google Appsのユーザー企業は500万社に達した。カンファレンスではそうしたユーザー事例が紹介されたが、同氏は特に日本のユーザー企業の状況を取り上げて説明した。

 Google Appsの最近の導入事例では4万9000IDを導入した全日空や、20カ国で2万ユーザー以上の導入を計画するクボタといった大手企業のケースが話題を集めた。シェルトン氏は、大手企業に採用されるだけでなく、同社のサービスがSMBにも同様に提供されるものだとしている。

 例えば、衣料品メーカーの白鷺ニット工業(兵庫県姫路市)は、国内と中国の事業拠点とのメール環境にGoogle Appsを採用した。「以前はそもそもメールが届かない、とても遅延するといった課題を抱えていたが、ブラウザだけでこの課題が解決された」(シェルトン氏)という。

 また、保育所など120カ所の施設を国内で運営するポピンズ(渋谷区)では施設間の情報共有の基盤として採用するほか、130カ国以上に輸出する農芸品メーカーのサカタのタネ(横浜市)は、メール環境の改善を目的に導入した。回転寿司のあきんどスシロー(大阪市)は、店舗の衛生管理にGoogle AppsとタブレットのNexus7を利用する。

googl302.jpg 「日本でクラウドサービスが本格普及」とGoogle

 「もちろん企業によってはレガシーなITシステムを持ち、使い慣れた環境を好むで、どのサービスを選ぶのかはユーザー次第だ」とシェルトン氏。「SMBはITを駆使することに関心があるわけでない」とも話す。情報系システムのクラウドサービスの競争の中で、同社のスタンスが自然に受け入れられた結果だと強調している。

 Googleによれば、目的を達成するために90%のユーザーが複数のデバイスを駆使し、労働者の66%は毎日2台以上のデバイスを利用しているとのこと。こうした状況がアジアの中小企業のトレンドであるようだ。

 カンファレンスでは手作りの飴がノベルティグッズとして来場者に配られた。これを製造したMade In Candyは、シンガポールで2009年に創業し、現在は社員が約50人ながら、タイ、フィリピン、中国、ベトナムの5カ国でビジネスを手掛ける。その情報共有にGoogle Apps、新商品のプロモーションにYouTubeを駆使する。

googl303.jpg Made In Candyのロン氏(左)とエミリーさん。東南アジアを旅行したという個人のブログにもしばし登場するほど現地では人気店となっている

 創業者のロン氏は、「元々Gmailを使っていたが、Google Appsの採用はタイ語など東南アジアの言語環境がしっかりサポートされていることが決めてになった。今ではPOSシステムも、経理システムも、受発注システムにもクラウドサービスを利用している。サービス品質にも満足している」と話している。

Copyright© 2017 ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

ピックアップコンテンツ

- PR -

注目のテーマ

マーケット解説

- PR -