AP通信のTwitterがハッキング被害、「爆発で大統領が負傷」のデマ流す

通信社のAPのTwitterに掲載された「ホワイトハウスで2度の爆発。オバマ大統領が負傷」という速報はデマだった。

» 2013年04月24日 07時24分 公開
[鈴木聖子,ITmedia]

 「ホワイトハウスで2度の爆発。オバマ大統領が負傷」――。米大手通信社Associated Press(AP)のTwitterアカウントに4月23日、こんな「速報」が掲載された。APは直後に同社のアカウントが乗っ取られたと説明、この速報がデマだったことを確認した。

 事件の経緯について伝えたAPの記事によると、“デマ速報”は現地時間の午後1時過ぎに掲載され、これを受けてダウ工業株平均が一時急落したが、すぐに値を戻した。ジェイ・カーニー大統領報道官は、定例会見でオバマ大統領の無事を確認した上で、「私も大統領と一緒にいた」とコメントしたという。

 APの広報責任者ポール・コルフォード氏は同日、「本日午後、@APのTwitterアカウントがハッキングされた。慎重を期してAPの他のTwitterフィードを停止した。Twitterと協力して解決に当たっている」とする談話を発表した。

ハッキングの経緯に触れたツイート

 同社広報のTwitterアカウント「@AP_CorpComm」にも、「@APのTwitterアカウントがハッキングされた。ホワイトハウス攻撃についてのツイートは偽物だ」「ハッカーが@APのTwitterアカウントに侵入した」などのツイートが掲載されている。

 アカウントが侵入された経緯は現時点で不明だが、AP記者のマイク・ベイカー氏は自身のTwitterアカウント「@MikeBakerAP」で、「@APのハッキングは、非常にうまく偽装したフィッシング詐欺メールがわれわれ数人に届いてから1時間足らずで起きた」と伝えた。

 同氏はさらに、「ハッカーは繰り返しAP記者のパスワードを盗もうとしていた」というAPの記事を引用。アカウントを乗っ取った犯人については、APの別のTwitterアカウントに掲載された「Syrian Electronic Army」(SEA=シリア電子軍)の犯行声明ともとれるスクリーンショットを掲載している。

 シリア電子軍は、米公共ラジオ局NPRのサイトやTwitterアカウントが4月15日に乗っ取られた事件でも、同様の声明を掲載している。

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