統計解析に特化した予測分析ソフト最新版、日本IBMが発売

日本IBMは、統計解析に特化したソフトウェア製品の最新版「IBM SPSS Statistics 22」を発表した。

» 2013年08月14日 16時00分 公開
[ITmedia]

 日本IBMは8月14日、予測分析ソフトウェア群「IBM SPSS」の統計解析に特化したソフトウェア製品の最新版「IBM SPSS Statistics 22」を発売した。統計解析への需要が高まっているマーケティング領域や医療領域など、専門性の高い分野での活用が期待される分析機能が強化されている。

 最新版は、まず入力が不確実な場合でもより精度の高い統計解析を可能にするシミュレーション機能を強化している。分析対象となるデータ形式に、新たに文字列が追加された。例えば、マーケティングで活用したいアンケート結果などを分析のために数値に置き換えていた性別といった文字列の情報をそのまま扱えるようになった。これにより、従来に比べて幅広いデータを活用した迅速な分析が可能になるとしている。

 また、医療分野での臨床実験値の検証への活用など専門的な領域でのニーズが高い、対象となる個々のデータを想定する母集団に近似するよう補正する「傾向スコア(Propensity Score)」への対応も強化した。非線形回帰分析に特化した高度な分析機能を提供する「IBM SPSS Regresion」と連携し、傾向スコアの分析結果レポートをIBM SPSS Statisticsのメニューからの編集、加工できるようになっている。

 統計解析結果を表示するレポートでは新たにHTML5に準拠したWebレポートを追加。専用クライアントが無くても、汎用的なWebブラウザで参照でき、レポートの色調やレイアウトに加えて、データテーブルも編集できる。Webレポート形式で出力したファイルは、iOSやAndroidデバイスのWebブラウザからでも参照や編集が可能だ。

 さらに、分析対象データの変換をデータベース上で実行できる「SQLプッシュバック」機能を実装し、既存のデータをIBM SPSS Statistics向けに変換、移行をする手間を解決した。これにより、大規模データの処理速度の向上やITコストの最適化が図れるという。

 同製品のライセンス使用料金は、一般向けが27万9405円(1ユーザーあたり、初年度保守料金を含む)から、教育機関向けが9万9750円(1ユーザーあたり)からとなっている。

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