2012年の国内デスクトップ仮想化市場は前年比39.4%の急成長――IDC

IDC Japanは、2012年における国内仮想化ソフトウェア市場規模実績と2017年までの市場規模予測を発表した。

» 2013年08月19日 16時37分 公開
[ITmedia]

 IDC Japanは8月19日、2012年の国内仮想化ソフトウェア市場規模実績と2017年までの市場規模予測を発表した。これによると、2012年のバーチャルマシン/クラウドシステムソフトウェア市場規模は、前年比28.6%増の360億9000万円、2012〜2017年の年間平均成長率は14.9%と予測。また、バーチャルクライアントコンピューティング市場規模は前年比17.2%増の170億3500万円、2012〜2017年の年間平均成長率を10.4%としている。

 ハイパーバイザを含むバーチャルマシン/クラウドシステムソフトウェア市場は、大手企業のプライベートクラウド構築をはじめとする仮想基盤の拡大、中堅・中小企業へのサーバ仮想化の浸透、デスクトップ仮想化の拡大により、2012年も非常に高い成長を達成したという。世界の主要6地域(北米、中南米、西欧、中東欧・中東・アフリカ、日本、日本を除くアジア太平洋)の中では日本が最も高い成長率となり、市場シェアの約90%を持つVMwareが売上を大きく伸ばした。IDCは、多くの企業で仮想基盤が標準になり、2013年以降も高い成長が継続するとみる。2017年には市場規模が721億円に達すると予測する。

 クライアント仮想化ソフトウェアのバーチャルクライアントコンピューティング市場は、プレゼンテーション仮想化を実現するバーチャルユーザーセッション市場が約70%を占めた。2012年の同市場は前年比12.8%増と好調だった。また、導入が急拡大しているデスクトップ仮想化のデスクトップバーチャライゼーション市場は対前年比39.4%増となり、構成比で20%強を占めるまでに拡大。同市場ではCitrixとVMwareが激しいシェア争いを繰り広げている。同市場の2012〜2017年の年間平均成長率は22.0%で、2017年には98億円に達し、バーチャルクライアントコンピューティング市場の約35%を占めるまで拡大するとIDCはみている。

 ソフトウェア&セキュリティ シニアマーケットアナリストの入谷光浩氏は、「国内の仮想化ソフトウェア市場の成長スピードは世界中で最も早い市場の1つ。ただし、単なるサーバ統合で終わってしまうユーザー企業も多く、成長スピードが減速してしまう懸念もある。ITインフラ全体をソフトウェアでコントロールすることで仮想化の効果を最大限に引き出すアーキテクチャ(Software-Defined Infrastructure)の採用が重要になる」とコメントしている。

国内仮想化ソフトウェア市場 売上額予測:2012年〜2017年(出典:IDC Japan)

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