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» 2014年01月17日 16時30分 UPDATE

6世代目を迎えたIBMのエンタープライズX-アーキテクチャー、モジュラー化と高性能、高信頼をさらに追求

日本IBMが次期Xeon E7プロセッサに対応する新しい「X6アーキテクチャー」を発表した。モジュラーデザインにさらに磨きをかけたほか、メモリスロットにフラッシュを搭載できるようにすることで大規模データ分析を劇的に高速化できるという。

[浅井英二,ITmedia]
x3850x6.jpg 第1四半期に発表予定のラックマウント型4ソケットのSystem x3850 X6。冷却ファンが2つ付いた縦型の「コンピュートブック」を4台収容する。向かって左側は「ストレージブック」。「I/Oブック」などは背面に収容するモジュラーデザイン

 日本アイ・ビー・エムは1月17日、業界標準のx86プロセッサをベースとしながらスケールアップ型の高性能サーバを実現するIBMエンタープライズX-アーキテクチャーの第6世代版を発表、この「X6アーキテクチャー」に基づくラックマウント型4ソケットの「System x3850 X6」、同8ソケットの「System x3950 X6」、およびブレード型の「FlexSystem x880コンピュートノード」を第1四半期に順次販売開始することも明らかにした。Intelでは、最大15コアを搭載する新しいXeon E7プロセッサを第1四半期に発表する予定だ。

 2001年の第1世代から数えて6世代目となるIBMエンタープライズX-アーキテクチャーは、x86プロセッサをベースとしながらも同社がメインフレームで培った独自の技術を盛り込み、スケールアップ型の高性能や優れた信頼性を実現してきた。最新のX6アーキテクチャーでは、モジュラーデザインをさらに進化させ、将来主流になるとみられている「Fabric-based Architecture」を志向、新しい世代のプロセッサが登場しても丸ごと買い替える必要はなく、モジュールを追加したり、リプレースして顧客企業が長期に使い続けられるようにする。

fba01.jpg

 Fabric-based Architectureは、プロセッサやメモリ、ディスク、ネットワークI/Oなどの資源をすべてプール化して管理し、高速のスイッチバックプレーンや光ケーブル接続で密連携させるシステムデザイン。この10年、メモリの帯域幅が30倍になったのに対して、ネットワークのそれは1600倍に高速化し、その差が縮まっていることが背景にある。現在は、プロセッサとメモリは同じボードに置くデザインが主流だが、そうした必要もなくなる。異なるプロセッサも含む、すべての資源を1つのコンピュータとして一元的に管理しながら、ワークロードの種類や負荷に応じて最適な資源を割り当てられる柔軟なシステムが生まれる。

 IBMでは2010年、それまでのメインフレームを大きく進化させ、Fabric-based Architecture製品に先鞭をつけるzEnterprise 196を投入したほか、2012年にはFabric-based Architectureの概念を採り入れたPureSystemsを発表している。

 今回のX6アーキテクチャーでは、依然としてプロセッサとメモリは同じボードに配置され、「コンピュートブック」と呼ばれるモジュールを構成するものの、次々世代までのXeon E7プロセッサを搭載したコンピュートブックと簡単にリプレースできるようにデザインされている。

メモリスロットにフラッシュ、大規模データ分析を高速化

 エンタープライズX-アーキテクチャーではこれまでにも多くの「業界初」があったが、X6アーキテクチャーでもメモリスロットにフラッシュメモリを搭載する「IBM eXFlashメモリ・チャネル・ストレージ」が新たにサポートされる。

 メモリスロットのフラッシュは、PCI Expressスロットに接続されるフラッシュよりも約3割安く、しかもレイテンシーが5〜10マイクロ秒と格段に低い。IBMでは、レイテンシーをさらに削減する「WriteNow」や割り込みを可能にする「Direct Data Accelerator」の機能をファームウェアで実現し、スループット向上をを図る。これにより、リレーショナルデータベースのログやテーブル本体をメモリスロットのフラッシュデバイスに格納することでトランザクション性能を飛躍的に高めることができるほか、VDI(仮想デスクトップインフラ)の集約率も高められたり、I/O依存度の高いERPなども仮想化環境に統合しやすくなるという。

 IBMでは、顧客がX6アーキテクチャーからその価値をすぐに引き出せるように検証済みのベストプラクティスとして、以下のようなリファレンスアーキテクチャーを用意するが、インメモリデータベースのソリューションが並ぶ。大規模なデータ分析でこそ、X6アーキテクチャーの価値を十分に引き出せるというわけだ。

  • IBM System x Solution for DB2 with BLU Acceleration on X6
  • IBM System x Solution for HANA on X6
  • IBM System x Solution for Microsoft SQL Data Warehouse on X6
  • IBM System x Solution for Microsoft Hyper-V on X6
  • IBM System x Solution for VMware vCloud Suite on X6

 エンタープライズX-アーキテクチャーが追求してきたのは高性能ばかりではない。基幹業務に耐えられる信頼性もメインフレームで培った独自の技術が生かされてきた。もちろん、IntelのXeon E7プロセッサにもMCA(Machine Check Architecture)リカバリー機能などが搭載され、優れた可用性が実現されつつあるが、X6アーキテクチャーでは、さらにファームウェアやソフトウェアによってRAS機能を高めている。例えば、プロセッサ障害時にも自動的にフェールオーバーさせたり、メモリページの修復可能なエラー数を監視して敷居値を越えたらVMware vCenterなどと連携して別の仮想マシンに移行させるなど、対障害性と回復性を高めることができるという。上で紹介したリファレンスアーキテクチャーとしてもMicrosoft Hyper-VやVMware vCloud Suiteとの連携ソリューションが用意される。

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