現役教師が注目する教育現場で使うタブレットのポイント

ITRが300人以上の現役教師を対象に、教育現場でのタブレット活用の意欲や気になる点を尋ねた。活用意欲は高いが、セキュリティ面での意識に違いもみられたという。

» 2014年03月10日 15時20分 公開
[ITmedia]

 IT調査会社のアイ・ティ・アールは3月10日、現役教師を対象に実施したタブレット端末の活用意欲に関する調査結果を発表した。活用に前向きである一方、情報セキュリティに対する意識では勤務先の種類によって温度差がみられたという。

 まず教育現場へのタブレット端末の導入について、「賛成」「どちらかと言えば賛成」を合わせた回答が86%強を占め、極めて前向きであることが分かった。最も重視する用途には、「インターネットを利用した調べ物」(31.8%)、「電子教科書のビューワ」(30.6%)の2つが上位を占めた。

教育現場へのタブレット導入に対する賛否(出典:ITR)

 一方、タブレット導入に伴う児童や生徒のデメリットには、紙を使った学習スタイルや目の疲れなど健康面への影響を挙げる回答が目立つ。ITRではこれらに加え、情報セキュリティに対する意識に温度差がみられる点を指摘している。

 調査では情報セキュリティに対するデメリットとして、「インターネットの有害情報にアクセスしやすくなる」(31.8%)や「個人情報の漏洩リスクが増す」(28.2%)が挙がった。同社によれば、教師が勤務する教育機関の種類によって温度差があるといい、「有害情報にアクセスしやすくなる」点について小・中学校よりも高校の方が不安に感じる傾向にあった。また、児童・生徒数が1000人を超える大規模校ほど不安がる傾向にあったという。

児童・生徒にとってのタブレット活用のデメリット、教育機関別(出典:ITR)

 調査と分析を担当したシニア・アナリストの舘野真人氏は、「タブレット端末は学校教育でもICTの主役の一角を占めるだろう。しかし、利用者の多くが子どもたちであり、製品選定では一般企業以上に冷静かつ客観的な視点が不可欠」と指摘。安全性の観点ではOSの総合力や連携するクラウドサービスの利用規程も評価対象にすること、さらには最低でも3年間の継続利用が保証される製品を選ぶべきとアドバイスしている。

 調査は2013年12月に全国の小・中学校、高校に勤務する現役教師を対象に実施し、330件の有効回答を得た。

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