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» 2014年05月21日 04時21分 UPDATE

IBM Edge 2014 Report:新しいキーワードは“Elastic”と“SDS”

米IBMは同社のSDSを実現する技術「Elastic Storage」を発表し、それを支える新製品3点を発表した。

[大津 心,ITmedia]

 米IBMは5月19日(現地時間)、ストレージ/サーバー関連イベント「IBM Edge 2014」を開幕。同社の「Software Define Storage(SDS)」を支える新製品3製品と、SDSを支える技術「Elastic Storage」を発表した。

あらゆるストレージをプール化

 SDSはEMCなどが2013年ころから提唱し始めている概念で、複数のストレージを仮想化してあたかも1つのストレージのように見せ、一元的に管理するというもの。

ボーリア氏写真 米IBM Software Defined Systems部門 Vice President ドン・ボーリア氏

 米IBMのSoftware Defined Systems部門でVice Presidentを務めるドン・ボーリア(Don Boulia)氏は、「IBMは、SDSを“Elastic Storage”で実現しようとしている。Elastic Storageは、複数のストレージの差異をソフトウェアで吸収し、1つのストレージプールとして扱うというもの。ストレージはFlashやハードディスク、クラウド、テープなど、あらゆるものに対応する。実は、ハイパフォーマンスコンピューティングの世界では、10年以上前からストレージの仮想化技術に取り組んでおり、すでに実績もある。そこで培った技術をElastic Storageに生かしているアドバンテージがIBMにはある」と説明する。

 多くの企業には、社内に高速なFlashストレージから、通常のHDDを搭載したファイルサーバーやバックアップ用のテープドライブなど、用途に応じてさまざまなストレージが存在する。現状では、IT担当者などがその用途に応じて保存先を変えていたりするが、Elastic Storageの下では、これらすべてのストレージが1つのストレージプールとして見えており、ユーザーはただデータを放り込むだけで、後はElastic Storage側が使用頻度などに応じて、保存先を選ぶイメージだ。

 Elastic Storageを採用することで、管理の容易性だけでなく、重複排除やデータ圧縮などによる容量削減によるコスト削減効果など、多くのメリットが見込めるという。IBMは2011年10月にカナダのPlatform Computing社を買収しており、この会社の分散コンピューティング管理技術が応用されているという。

 ボーリア氏は、Elastic Storageについて「すでにElastic Storageは実績もあり、評判も良い。既存のシステム/ストレージを流用できるので大幅なシステム変更も必要ない。Elastic Storage対応商品は、ストレージとソフトウェアを組み合わせた製品も出すし、ソフトウェアだけでも出していく。両方の良い所取りをしていく方針だ。Elastic Storageによって、企業のストレージ投資は大きく変わるだろう」と今後の方針を示した。

Elastic Storageを実現するための3製品がリリース

 今回「IBM Edge 2014」で発表された新製品は、「IBM Storwize V7000」「IBM System Storage TS4500 テープ・ライブラリー」「IBM DS8870 Flashエンクロージャー」の3製品。国内では6月6日より出荷開始予定だ。

トーマス氏写真 米IBM Storage and Software Defined Systems部門 GM ジェイミー・トーマス氏

 「IBM Storwize V7000」は、Elastic Storageの心臓部とも言える仮想化ストレージ製品で、他社製を含めた複数のストレージを統合管理することが可能になる。今回は、IBM Real-time Compression(リアルタイム圧縮)とIBM Easy Tierが強化された。圧縮専用のハードウェアエンジンを積んだことで圧縮速度が従来比で10倍になり、データのリアルタイム圧縮が可能になった。データの圧縮率は最大80%で、平均でも50%圧縮する。IBM Easy Tierは、Flashドライブからテープドライブまで、3階層にわたってデータの自動配置を行う機能だ。

 「データ圧縮というと、アーカイブ化されて取り出したり解凍するときに時間がかかって、プライマリーのストレージとして実質的に使えないのではないか、という声も聞くが、それは誤解だ。V7000はアーカイブとしてではなく、プライマリストレージとして利用できる。従来は圧縮に時間がかかっていたため、リアルタイムとは言い難かったが、今回10倍に早くなったことで、まさに“リアルタイムに圧縮解凍”が行えるようになった。これで、ユーザーは気付かないうちに圧縮解凍されている状況になったと言える」(日本IBM システム製品事業本部 理事 星野裕氏)

 「IBM System Storage TS4500 テープ・ライブラリー」は、LTO(Linear Tape-Open)Ultrium 6およびLTO Ultrium 5規格に対応したテープライブラリー製品。高密度を実現し、前世代製品の約3.4倍、最大2.2PBを単一フレームライブラリーで設置可能になっている。

 「IBM DS8870 Flashエンクロージャー」は、同社のハイエンド向けFlashストレージ製品。今回新たにAll Flashのカードを追加できるようになったことで、約3.5倍の高速化を実現しつつ、設置面積半減と12%の節電を実現した。価格は、「IBM Storwize V7000」が855万円(税別)から、「IBM System Storage TS4500 テープ・ライブラリー」が1344万7400円(同)から。

 「IBM Edge 2014」の講演内で、米IBMのStorage and Software Defined Systems部門でゼネラル・マネージャーを務めるジェイミー・トーマス(Jamie Thomas)氏は、「IBMはFlashに10億ドルを投資し、注力している。いまでは、1PBを扱えるようになった。当社は今後さらにストレージに注力していくが、中でもFlashには積極的に投資していく」と力強くコメントした。

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