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» 2014年05月30日 08時30分 UPDATE

Citrix・カレッジCX担当役員に聞く:IT業界でのデザイナーの地位向上に尽力

「Citrixをコンシューマーライクなブランドに」。そう語るキャサリン・カレッジ氏はデザイナーとして、同社の製品・サービスのカスタマーエクスペリエンス(CX)向上に努めている。

[伏見学,ITmedia]

 デスクトップ仮想化をはじめとするエンタープライズITソリューションカンパニーの米Citrixが製品やサービスのデザインに力を入れている。テクノロジーに明るくない企業の業務部門ユーザーにも分かりやすく使えるようなユーザーインタフェース(UI)を実装し、利用を促進したい考えだ。

米Citrix カスタマーエクスペリエンス担当シニアバイスプレジデントのキャサリン・カレッジ氏 米Citrix カスタマーエクスペリエンス担当シニアバイスプレジデントのキャサリン・カレッジ氏

 このような同社の製品デザインやUI開発などを手掛けるのが、カスタマーエクスペリエンス担当シニアバイスプレジデントのキャサリン・カレッジ氏率いるCXチームである。

 カレッジ氏は、2009年に製品デザイン担当のバイスプレジデントとしてCitrixに入社。デザインを製品・サービスの差別化要因として成長させようとするカレッジ氏の情熱が、全社規模の戦略となり、新たな組織としてCXチームが立ち上がった。

 カレッジ氏は同社のデザインエバンジェリストであるほか、TEDxやスタンフォード大学のデザインスクール、カリフォルニア芸術大学などでも教鞭をとる。Citrix入社以前は、米Salesforce.comおよび米Oracleでデザインの指導的職責を務めるなど、エンタープライズIT業界のデザイン領域において知られた存在である。

デザイナーやアナリストなどから成る組織

 Citrixが考えるCXとは、あらゆる人があらゆるものを簡便に使えること、つまり、Citrixの製品やサービス、Webサイト、カスタマーサポートに至るまで、すべてのタッチポイントにおいて、エンジニア、IT担当者、エンドユーザーにとって使い勝手が良いものを提供することである。

 「技術に精通していないユーザーでも容易に使いこなすことができるサービスを生み出す。またIT担当者に対しては簡単にソリューションを展開できるような製品を設計する。こうした素晴らしいCXを提供するのが私の仕事だ」とカレッジ氏は力を込める。

 CXチームは現在、175人のメンバーから成る。その構成員は、デザイナー、リサーチャー、データアナリスト、テクニカルライター、コンテンツプロデューサーなど多岐にわたる。デザインにバッググラウンドのある人材を積極的に採用するとともに、デザインドリブンで問題解決を図るためのトレーニングなどを施していく。

他社のCXとの違い

 では、実際にCitrixではどのようにCXを製品やサービスに反映させているのか。カレッジ氏によると、開発プロセスにおいて最重視するのは、プロジェクト初日から最後までプロジェクトマネジャー(PM)、デザイナー、エンジニアの3人が必ず一緒に仕事をすることである。カレッジ氏はこうした状態を“3 in a box”と表現する。

 その過程において真の顧客ニーズや顧客にとっての価値をくみ取るために、定期的にユーザーと会い、直接対話を行う。そこで得たフィードバックを基に、さらなる改良を加えていく。「ユーザーとコラボレーションし、ステップバイステップで進めていくのが肝要」とカレッジ氏は話す。

 しかし、ユーザーと対話し、段階的に開発を進めていくといっても、例えば、Citrixが注力するモバイル分野においては、市場変化のスピードが速く成長が著しいため、瞬時に対応しなければならない。この分野については、新しいデザインやコンセプトの優先順位付けを素早く行い、数週間単位でリリース、機能改善を繰り返しているそうだ。

 昨今はITベンダー各社もCXをうたっている。彼らとの差別化ポイントについて、「他社もコンセプトは持っているが、具体的な製品に反映されていない。Citrixは一歩も二歩も前を行く」とカレッジ氏は自負する。

目指すはAppleやIKEA

 カレッジ氏は、現在Citrixにおいて唯一の女性役員である。そうした立場からCitrix、さらにはIT業界にどのような貢献ができると考えているのだろうか。

 Citrixをコンシューマーライクなブランドにしたい」とカレッジ氏は意気込む。ロールモデルとして挙げるのは、米Apple、米Tesla、IKEAなど。エンタープライズITの分野ではまだデザインに対する重要度が低く見られていると感じており、その状況を変えることが自身の使命だという。幸いにしてCitrixでは「CXファースト」という言葉が語られるなど、マーク・テンプルトンCEOをはじめ社員にデザインをベースとしたCXの重要性が浸透しつつあるのだという。

 また、自社、他社問わず、テクノロジー領域で働く女性を増やしていきたいと考える。さらにCitrixにおいては、デザイナーなどIT専門以外の社員を引き付ける会社にしたいという。そのために、さまざまな大学を回り、芸術系の学生などに対してCitrixの文化を伝えるなど、地道な活動を欠かさない。

 「社会に影響を与える製品やサービスを作る上でデザインは重要。デザイナーの活躍の場を広げていきたい」とカレッジ氏は力強く語った。

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