2015年秋からスタートする「番号制度(マイナンバー)」とは何ですか?マイナンバー・企業の対応と注意点(1/4 ページ)

2015年10月から始まる「番号制度(マイナンバー)」。段階的な利用拡大に伴って、行政だけでなく民間企業でも様々な対応が必要となります。本連載では制度のあらましと行政の対応、民間企業が取り組むべき点について解説していきます。

» 2014年09月04日 07時00分 公開

 全国民に個人番号を付番し、個人を一意に特定することを可能とする「行政手続における特定の個人を識別するための番号の利用等に関する法律(以下「番号法」、通称:マイナンバー)」および関連法が2013年5月24日に成立しました。

 番号法では自治体が関与する行政手続について多く規定されていることから、現在は自治体を中心に、2015年10月の国民への個人番号の通知、2016年1月の個人番号の利用開始、2017年1月の国機関での情報連携の開始、2017年7月の自治体を含めた情報連携の開始に向けて、システム改修、業務運用の見直しなどが実施されています。

 一方、番号法で規定する行政手続の中には、市区町村、都道府県、省庁、独立行政法人等 (以下、「行政機関・自治体等」)だけでなく、民間企業が関わる、あるいは担う手続きも含まれ、原則全ての民間企業で番号制度対応に向けた準備が必要になります。

 そこで本連載は、まず「番号制度とは何か」について制度の概要を説明し、第2回では「番号制度導入にあたって各機関が実施すべきことは何か」について行政機関・自治体等と民間企業それぞれの立場から解説します。さらに、第3回以降では民間企業における具体的な実施事項を取り上げていきます。

番号制度とは個人を一意に特定するための制度

 現在、行政機関・自治体等には年金の基礎年金番号、介護保険の被保険者番号、自治体内での事務に利用する宛名番号のように、分野や組織ごとに個人を特定するための番号が存在しています。しかし、異なる分野や組織間で横断的に個人を特定するための番号は無く、異なる分野や組織で管理している個人を同一人として特定することに手間を要しています。

 そこで複数の機関に存在する個人情報を、同一人の情報であることを確認できるように、国民1人1人に「個人番号」と呼ばれる番号を付番し、各分野、各機関で横断的に利用することができる「番号制度」が導入されることとなりました。

 番号制度では、例えば、各機関が保有する税の申告書の情報を個人番号により同一人として紐付け可能となることで、各個人の所得を正確に把握できるようになり、公平な税負担や社会保障のより的確な提供といった効果が期待されます。

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