ワコールの事業拡大を支える、新グループウェアの効果とは?(1/2 ページ)

下着から水着業界へとビジネスを広げているワコール。最近は海外展開や事業買収により、グループの規模も大きくなっているが、その変化に社内ポータルが対応できなくなってしまった。社内ポータルの刷新を決意した同社が選んだシステムとは。

» 2015年02月03日 08時00分 公開
[池田憲弘,ITmedia]

 大手下着メーカーのワコールホールディングス(ワコールHD)が最近、新たなビジネスを始めたのをご存じだろうか。ファッション水着販売では国内最大手となる三愛グループを買収し、水着の開発、販売事業に乗り出したのだ。

 今やワコールHDの事業拠点は欧米やアジアなど世界各国に広がっており、66カ国で商品を展開しているという。2013年に発表した3カ年の中期経営計画でも「世界のワコール」というコンセプトを掲げており、今回の買収も顧客の拡大や、中国や東南アジアでのビジネス拡大を狙った“グローバル戦略の一環”であることが見て取れる。

 業績好調なワコールが、2014年12月に手がけたのが社内情報共有基盤の刷新だ。同社は近年、相次ぐ買収で社員数やビジネスが急拡大している。従来のシステムではその変化に対応できなくなり、システムの刷新に踏み切ったという。

photo 大手下着メーカーのワコールホールディングスが好調だ(出典:ワコールHD)

コストとカスタマイズ性を重視、社員の教育にも注力

 同社では社内情報共有基盤として、10年ほど前から自社開発のポータルを利用していたが、度重なる改修でシステムが複雑になっていた。同社情報システム部 グループ情報システム課 課長の大西輝昌さんは「自社開発のポータルはほとんど“手作り”のようなものでした。子会社や社員の数が増えるにつれて『外からでも使いたい』『海外からも使いたい』『子会社でも使いたい』といった要望が増え、それに対応するのが難しくなってしまったのです」と振り返る。

 そこで、アウトソースしているデータセンターの契約更新を期に、社内ポータルの刷新を検討し始めたという。さまざまなサービスを検討した結果、2014年5月にドリーム・アーツのグループウェア「インスイート」を導入することに決めた。

 導入の際に重視したのはコストとカスタマイズ性だ。「同種のサービスを一通り試してみたのですが、インスイートはやりたいと思っていた機能がそろっていたのと、子会社ごとのカスタマイズがしやすい点がよかったですね。また、われわれが予想している3000〜5000人程度の利用者数では、比較的安価だったところもポイントです」(大西さん)

 また、同社の社外取締役だった稲盛和夫氏(現在は日本航空名誉会長)の紹介で、日本航空のインスイート活用を見せてもらい、ノウハウを得られたことも導入の決め手となったそうだ。

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