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» 2015年04月27日 08時00分 UPDATE

「IT×人事」の新潮流:NTTコムウェアが“タレントマネジメント”を導入した理由 (1/2)

社員一人一人の資質に焦点を当て、埋もれた人材を発掘する――。今、社内の人材を有効活用する人事戦略「タレントマネジメント」が注目を集めている。NTTコムウェアでは、クラウドを使って社員のスキルを可視化する新人事システムを構築しようとしている。その理由とは?

[池田憲弘,ITmedia]

 多くの会社で新年度が始まる4月。社内の組織構造が変わったり、異動などで新たな仕事を始めたという人は多いだろう。昇進や昇給といったトピックも絡み、何かと人事に注目が集まる時期だ。

 とはいえ、こうした人事もすべてがうまくいくわけではない。マネージャーに昇進して突然仕事が回らなくなるケースや「異動先の仕事が自分に合っている気がしない……」などと悩んでしまう人もいるだろう。人材配置や報酬といった人事プロセスは、数値化しづらい部分が多く、主観や経験による影響が大きいというイメージを持つ人が多いかもしれない。

 しかし近年は、ITの力で最適な人事を組もうとする動きもある。社内の人材を有効活用する人事戦略「タレントマネジメント」だ。タレントは英語で「才能、能力」を意味し、社員の基本情報をはじめ、業務経験、保有スキル、評価、ポテンシャルといったデータを一元管理し、そのデータを分析して採用や人材配置につなげていく考え方だ。

日本型人材マネジメントの“課題”

photo NTTコムウェア エンタープライズビジネス本部 第四ビジネス部 部門長 河本倫志さん

 NTTコムウェアもこの“タレントマネジメント”に積極的に取り組む一社だ。NTTグループ全体にタレントマネジメントを普及させるため、自社で新たな人事システムの導入を進めている。同社で人材システム開発に携わる河本倫志さんは、日本企業で一般的に行われている人材マネジメントにはさまざまな課題があると話す。

 「かつては年功序列に従っていた賃金制度ですが、昨今は成果主義や実力主義が取り入れられる企業も増えました。ビジネスのスピードが速くなり、創造性も重視されるようになったことで、年次と成果が比例しにくくなってきているためです」(河本さん)

 また企業のグローバル化が進んだことも人材マネジメントに大きな課題を作っている。グローバル人材育成の遅れや、海外にいる社員を把握できないこと、そして何より海外で採用した優秀な社員が、仕事の役割や昇進機会といった人事制度に不満を持って離脱してしまうケースが多いのだという。

photo 多くの日本企業では、年次や実力と成果がかい離するパターンが増えており人事評価が難しくなっている

 同社は実力主義やビジネスのスピードに合わせた人事制度を作ろうと、各役職に必要なスキルレベルを定義し、プロジェクトに合わせて臨時で人材を配置する業務フローを設定するなどさまざまな施策を試したものの、思うように成果が上がらなかったという。

 「人事が現場の実態に合わない形でスキルや人材の定義をしてしまったり、スキルの評価が報酬に跳ね返りにくいことから、評価する側もされる側も人事評価へのモチベーションが下がってしまいました。人材配置の業務フローも、手続きを逆に面倒にしてしまうなど、さまざまな課題が出てきたのです」(河本さん)

 こうした課題を解決するため、同社は2013年から新たな人事システムを探し始めた。

photophoto NTTコムウェアでは、人事制度改革のためにスキルレベルの定義(写真=左)や臨時人材配置の業務フロー作成(写真=右)といった施策を行ったものの、うまく機能しなかったという
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