プロマネに“向かない人”っているの?【新連載】プロマネ1年生の教科書(1/2 ページ)

現代のプロマネは、昔よりも難しくなっているといわれています。多様な人材や混沌とした状況に苦しみ、「自分はプロマネに向かない」と自信を失う人もいるかもしれません。では、そもそもプロマネが発揮すべき資質やリーダーシップとは何なのでしょうか。

» 2015年08月06日 08時00分 公開
[岩淺こまきITmedia]
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 あなたが“理想”としているプロマネとは、どのようなものでしょうか。

 理想と一言で言っても、「問題発生時に解決するチカラを持っている」「上司へのネゴシエーションに長けている」「部下のタスクに対して適切にフォローできる」など、人によって異なるでしょうし、「新たなプロジェクトを任された」「チームのメンバーが一新した」「チーム力を高めたい」といった、プロジェクトの背景によっても変化します。

 現代のプロマネの仕事は、昔よりも難しく、複雑になっているといわれています。東京大学の中原淳先生は著書「駆け出しマネジャーの成長論」の中で、今のラインマネジャーやプロマネには「突然化(いきなりマネジャーになる)」「多様化(部下の雇用形態が複雑に)」「若年化(フラット化した組織の弊害)」「煩雑化(予防のための仕事が多い)」「二重化(プレイングマネジャー)」という5つの苦労があると述べました。

 一昔前のプロマネたちの時代には、年功序列制度や、“背中を見せれば勝手に部下が育つ”という状況、部下を一喝しても問題ない(非難されない)文化がありました。しかし、今は混沌とした状況や多様な人材の中で、細心の注意を払ってチームを運営する必要があるのです。

 もちろん、チームの運営に「正解」はありません。試行錯誤を繰り返す中で、理想通りに行動できているプロマネもいるとは思いますが、それ以上に理想とのギャップに四苦八苦している方もいると思います。プロマネとしての資質やリーダーシップに欠けているのではないかと悩む人も多いのではないでしょうか。

photo 難度の高いプロマネ業務をこなすうちに、資質やリーダーシップがないのではないかと悩む人も多いのではないでしょうか(写真はイメージです)

「リーダーシップ」の正体

 そもそも、プロマネが発揮すべき資質やリーダーシップとは何でしょう。“リーダーシップ”と言うと世間的には「リーダーがどんどんチームを引っ張る行為」や「カリスマ性を発揮した行動」を指すなど、天性の資質であるかのような扱いをしていることもありますが、そうではありません。

 リーダーシップとは「目標を達成するために、チームに与える影響力」を指します。チームに良い影響を与える機能や働きなので、目標の共有や計画作成、実績管理はもちろんのこと、周囲への声かけや相談に乗ることなども全て含まれます。「意外と幅が広い」と思われるかもしれません。

 リーダーシップは数多く研究されており、さまざまな理論がありますが、今回は世界的にも有名な三隅二不二氏(社会心理学者)が提唱した「PM理論」を使ってご紹介しましょう。

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