会議の決定事項に取り組まない部下がいる……。そんな悩みを抱えたことはありませんか。今回はリーダーが知っておくべき「会議運営の基本」を大解説。ダメな会議は非効率なばかりか、部下のモチベーションを大きく下げてしまうのです。
職場で感じるストレスの原因は、うまくコミュニケーションがとれないことによるものが多いようです。本連載では、伝え方や接し方、聴き方に至るまで職場でよくあるエピソードをもとに、仕事や物事がより円滑に進むようなコミュニケーションや考え方のヒントをご紹介します。言葉を受ける側の立場や気持ちを理解し、自分が発する言葉について見直してみてはいかがでしょう。
きちんと部下をまとめられるチームリーダー(プロジェクトリーダー)になるためにはどうすればいいか。本連載では「チームの方向性を部下にきちんと示してあげる」ことを2回にわたって紹介してきました。この基本がなっていないと、成果を出せない“ダメチーム”になってしまいます。
さて、チームがダメになる落とし穴はこれだけではありません。リーダーとして特に気をつけなければいけないのは「会議の場面」です。リーダーが会議運営に失敗していると、仕事の効率やメンバーの士気が上がらず、生産性の低いチームになってしまうのです。あなたのチームの会議ではこんな会話が飛び交っていませんか?
(A)「まずはA班から現状報告をお願いします。(各班の報告が続く)……報告ありがとう。質問ないね?」
(B)「では会社からの決定事項を報告します。あと30分弱しかないから、手短に言うけど……ざっと説明したけど、大丈夫ね? じゃあよろしく。がんばりましょう!」
(C)「次はアイデア出しをしたいんだけど、時間があまりないからどんどん言ってほしいんだよね。(メンバーの反応はあまりなし)。誰もないの? じゃ、時間ないからこれは次回に持ち越しで……」
(D)「一応最後に連絡事項あるんだけど、次の人たちが来てるから会議室空けなきゃ。後でメールするわ」
今回例に出したのは、とある10人強のチームにおける定例会議。3つの小グループからなるチームで、それぞれのグループをまとめるサブリーダーがいます。1時間の定例会議で、次の4つの議題をこなしています。
しかしこんな運営では、会議の効率が悪いばかりか、仮に会議で決まったことに対しても、全力で取り組まない部下がいてもおかしくない状況に陥ってしまいます。それぞれの言葉に対して、部下はこう思っているかもしれません。
(A)現状報告で30分以上とってる。しょっぱなから聞くだけの時間がこんなに長いと、頭がぼんやりする……
(B)決定事項が一方的すぎる。そんなざっと説明されても、疑問も何もわいてこないよね
(C)10分でアイデア出し、って何をしろと? そもそもいきなりテーマを振られても、出てこない……
(D)次の人来てるんだ。相変わらず時間管理ができないリーダーだよなぁ。恥ずかしー
会議での決定事項に部下が取り組むかどうかは、彼らがいかに内容に対して納得し、共感できるかにかかっています。もちろん、それは議題や内容にもよるもので、リーダーの立場からはコントロールしにくいものではありますが、会議の運び方によっては、その内容に関わらず、部下の納得度合いが下がってしまうことがあるのです。
先に上げた例で最もよくない点は、参加者(部下)が自ら発言しなくても、支障なく会議が終わってしまうことです。特に部下が“質問をしたい”“意見を言いたい”と思っていたときに、質疑応答がなかったり、話し合う機会が設けられなかったりすると、決定事項に対して納得できず、モチベーションを保ちにくくなります。
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