バッチ処理エンジンの変更で約300店舗の売上集計に要する時間が半分以下になったという。
ディスカウントストア大手のドン・キホーテが、約300店舗の売上集計に要する時間を従来の約13時間から約6時間に半減させることに成功した。バッチ処理エンジンをSyncsortの高速ETLツール「Syncsort DMExpress」に変更したことが要因だという。
同社の取扱商品は数十万アイテムという膨大な規模。売上集計はリレーショナルデータベースを使って商品分類によるバッチ処理を行っていたが、それだけでも半日以上を費やしてしまう状況から、高スペックのハードウェアに変更するなどして処理時間や作業工数の削減を検討していた。
ドン・キホーテでのこの検討では、システムサービスのアシストがSyncsort DMExpressの活用を提案し、パフォーマンステストを実施。処理時間が半分以下になることが確認され、秋からDMExpressを組み込んだ「数値管理システム」を本格稼働させる予定だ。
このシステムを各店舗の店長や人事部門の業務に活用し、全在庫状況の可視化を支える仕組みとしても活用することで、戦略的な価格設定や在庫削減策への貢献を期待する。
「Syncsort DMExpress」は、データ結合やソート/マージ処理が伴うバッチ処理、また、データウェアハウス、データマート構築時のデータ結合処理などのETL処理開発を実行するツール。独自の高速処理アルゴリズムや並列処理などが特徴だという。
ドン・キホーテはこうした性能を評価すると同時に、既存のストアドプロシージャのSQLをそのまま「Syncsort DMExpress」上で実行できることや、バッチ処理をGUIで開発することで開発工数を削減できるといった点も高く評価した。同社は2020年に世界で500店舗を展開する計画であり、新システムがその一翼を担うことになりそうだ。
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