東証の新arrowheadが始動、処理能力は2倍以上に

リスク管理の新機能を搭載し、売買制度の見直しも行っている。

» 2015年09月24日 17時48分 公開
[ITmedia]

 東京証券取引所と富士通は9月24日、東証の株式売買システム「arrowhead」をリニューアルして同日から運用を開始したことを発表した。処理能力が旧システムの2倍以上に増強され、リスク管理の新機能も実装している。

 以前のarrowheadは2010年1月に稼働し、当時に世界最高水準の処理能力を持つ株式売買システムとして注目を集めた。その後の注文の件数増加や短時間化といった株式市場の変化を受けて、東証では2012年からarrowheadのリニューアルを進めてきた。

旧arrowheadにおける注文件数や売買代金の推移(東証資料より)

 新システムの処理能力は、注文応答時間で約1.0ミリ秒から0.5ミリ秒未満に、情報配信時間で約2〜2.5ミリ秒から1.0ミリ秒未満に、1日あたりの注文件数で1億3700万件から2億7000万件に、それぞれ向上している。

 新機能のリスク管理では取引参加者と取引所システムとの接続が異常切断された際や、アルゴリズムの誤動作など際に、既に発注された注文をシステム側で自動的に取り消し、リスクを低減させた。また、呼値(よびね)の単位の適正化や連続約定気配の表示条件の追加など、新システムに合わせて売買制度も一部見直された。

新arrowheadのコンセプト(同)

 新arrowheadには、富士通製のIAサーバ「FUJITSU Server PRIMEQUEST」やPCサーバの「FUJITSU Server PRIMERGY」、ミドルウェアに高速インメモリデータ管理の「FUJITSU Software Primesoft Server」などが採用されている。

新arrowheadの構成機器一覧(富士通資料)

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