ニュース
» 2018年12月14日 14時00分 公開

海中センサーとドローンで広島の養殖牡蠣の生育環境を保全――シャープ、東大らが共同実証へ

シャープと東京大学大学院 大学院情報学環 中尾研究室らは、広島県江田島市の牡蠣養殖漁場で、AI/IoTを活用した「スマートかき養殖」の実証実験を始める。海中に設置したセンサーとドローンに搭載したカメラで、牡蠣の生育環境を遠隔監視する有効性を検証する。

[金澤雅子,ITmedia]

 シャープと東京大学 大学院情報学環の中尾研究室(中尾彰宏教授)は2018年12月13日、広島県江田島市の牡蠣養殖漁場で、AI/IoTを活用した「スマートかき養殖」の実証実験を開始すると発表した。

 実証実験は、江田島市の牡蠣養殖場に、プライベートLTE/LPWA(Low Power Wide Area)を使った専用の無線ネットワーク網を構築して実施する。

 漁場のブイや養殖用の筏(いかだ)にセンサーを設置し、海水の温度や塩分濃度などを遠隔監視するとともに、ドローンに搭載したカメラで上空から牡蠣の幼生が多く生息する場所や潮流などを観測する。

 これらのデータをクラウド上に収集、蓄積して、AIと機械学習を活用して分析、予測することで、牡蠣の幼生をホタテ貝殻に付着させる採苗に適した場所や時期を推定し、養殖業者のスマートフォンに通知。また、食害の原因となる魚が筏に近づいた際も、水中監視センサーで検知して通知する。

 これらの機能によって、離れた場所から牡蠣の生育環境をリアルタイムに把握、早期対応できるようになり、採苗の不調や育成不良の抑制につなげることができる。

Photo 実証実験のイメージ

 これにより、牡蠣養殖生産の効率化や業務効率の改善、労働負担の軽減が見込める上、牡蠣養殖のノウハウを可視化することで漁業の後継者育成にも貢献すると見ており、実証実験を通してその有効性を検証する。

 また、牡蠣養殖に最適化したデータを漁業者が活用しやすい情報として配信するための通信インフラとサービスプラットフォームの在り方も検証する。

 実証期間は、2018年12月下旬から2021年3月末までの予定。実証実験にはシャープ、東京大学、江田島市の他、NTTドコモ、内能美漁業協同組合など、計10の企業・団体が参画する。

 東京大学は、無線ネットワーク(プライベートLTE/LPWA)の構築、独自のIoT無線デバイスの提供、データのAI分析を担当。シャープは、プライベートLTE対応スマートフォンの提供と牡蠣養殖向け端末アプリケーションの開発を担当する。NTTドコモは、公衆回線インフラとICTブイを提供する。内能美漁業協同組合は、実験実務に当たる。

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

注目のテーマ