紙の書類を瞬時にデータ化 iPhone用スキャナアプリを試す(Genius Scan+編)職場で役立つデジタル化レシピ

紙の書類をデジタルデータ化するのにもっとも手軽なのは、スマホのカメラで撮影する方法だ。こうしたスマホ向けのスキャナアプリのうち、今回はiPhone用アプリ「Genius Scan+」を紹介する。

» 2015年09月30日 07時00分 公開
[山口真弘ITmedia]

 「Genius Scan+」は、The Grizzly Labsが提供するiOS用のスキャンアプリ。価格は840円で、試用時のバージョンは3.8.3。海外のアプリだがヘルプなどを除いてインタフェースは日本語化されている。

 本アプリの特徴は、取り込んだ書類の活用にまつわる機能の豊富さだ。スキャンした書類をアプリ外に書き出すエクスポート機能については、メール添付や印刷などの基本操作に加えて、10を超えるクラウドサービスに対応するなど、選択肢が多い。また、署名を挿入できる別アプリやFAX送信を可能にする別アプリと組み合わせて使用できるなど、拡張性も考慮されている。

 書類の保管にあたっては、位置情報などを簡単な操作でファイル名の一部として追加できるスマートドキュメントネーム機能のほか、タグによる分類にも対応しており、多数の書類を効率的に管理できる。PDFにパスワードを追加できるのはもちろん、アプリはTouch IDを用いたロック解除にも対応するなど、セキュアな利用も考慮している。Wi-Fiシェアリング機能も搭載しているので、書類をPCとやりとりするのも容易だ。

 一方で、書類のスキャンまわりの機能はやや弱い。最近の同種のアプリではトレンドとなっている連写や自動撮影、輪郭のリアルタイム検出といった機能を備えていないほか、OCR機能にも非対応だ。カラーモードは白黒2値という選択肢が用意されておらず、カラーとグレーの2択のみ。明るさやコントラストの調整も完全にアプリ任せで、手動で調節することができない。

 全体的にみれば機能は豊富であり、インタフェースの日本語化もほぼ完璧なのだが、OCR機能を搭載しないスキャナアプリとして見た場合、有料版の840円という価格はやや高額に感じられる。クラウドへの出力機能などを搭載しない無料版が用意されているので、まずはこちらで使い勝手をチェックしてみるとよいだろう。

OK
  • 書類の保存から活用に至る機能は豊富で、クラウド連携の選択肢も数多い
  • 外部アプリとの連携など拡張性も高い

NG
  • 白黒2値モードがないなど、書類のスキャンにまつわる機能がやや少ない
  • OCR機能がない


■Quick PDF Scanner編
項目 機能
自動スキャン ×
台形補正(自動)
台形補正(手動)
曲面補正 ×
明るさ・コントラスト調整 ×
カラーモード変更
文字のテキスト化 ×
形式 PDF/JPG/その他
クラウドサービスへのアップロード

Photo まずは書類を撮影。連写や自動撮影機能はなく、輪郭をリアルタイムで検出する機能も備えていない
Photo 撮影すると自動で輪郭が検出される。グリッド線まで表示されるのは珍しい
Photo 形状補正が自動で実行され、「デフォルト効果」で指定したカラー変換(初期値は白黒化)が行われる
Photo 無補正もしくはカラーの強調処理も可能。ちなみに「白黒」とはグレースケールのことで、いわゆる白黒2値化は行えない
Photo 終わったら右上の「保存」をタップして書類を保存する。新規保存のほか、既存の文書に追加ページとして保存することも可能。OCR機能は非搭載
Photo 書類は外部にエクスポートして使用する。形式はPDFとJPG、解像度は実寸のほか大中小の計4段階で選べ、パスワードの追加も可能。エクスポート先のクラウドサービスの選択肢はかなり多い部類に入る
Photo タグを追加して書類を分類することで、多数の書類の中から目的の書類を素早く呼び出せる。Wi-Fiシェアリング機能も備える
Photo デフォルトの効果などはここで設定できる。Touch IDでの起動ロック解除も可能

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