紙の書類をデジタルデータ化するのにもっとも手軽なのは、スマホのカメラで撮影する方法だ。こうしたスマホ向けのスキャナアプリのうち、今回はiPhone用アプリ「Genius Scan+」を紹介する。
「Genius Scan+」は、The Grizzly Labsが提供するiOS用のスキャンアプリ。価格は840円で、試用時のバージョンは3.8.3。海外のアプリだがヘルプなどを除いてインタフェースは日本語化されている。
本アプリの特徴は、取り込んだ書類の活用にまつわる機能の豊富さだ。スキャンした書類をアプリ外に書き出すエクスポート機能については、メール添付や印刷などの基本操作に加えて、10を超えるクラウドサービスに対応するなど、選択肢が多い。また、署名を挿入できる別アプリやFAX送信を可能にする別アプリと組み合わせて使用できるなど、拡張性も考慮されている。
書類の保管にあたっては、位置情報などを簡単な操作でファイル名の一部として追加できるスマートドキュメントネーム機能のほか、タグによる分類にも対応しており、多数の書類を効率的に管理できる。PDFにパスワードを追加できるのはもちろん、アプリはTouch IDを用いたロック解除にも対応するなど、セキュアな利用も考慮している。Wi-Fiシェアリング機能も搭載しているので、書類をPCとやりとりするのも容易だ。
一方で、書類のスキャンまわりの機能はやや弱い。最近の同種のアプリではトレンドとなっている連写や自動撮影、輪郭のリアルタイム検出といった機能を備えていないほか、OCR機能にも非対応だ。カラーモードは白黒2値という選択肢が用意されておらず、カラーとグレーの2択のみ。明るさやコントラストの調整も完全にアプリ任せで、手動で調節することができない。
全体的にみれば機能は豊富であり、インタフェースの日本語化もほぼ完璧なのだが、OCR機能を搭載しないスキャナアプリとして見た場合、有料版の840円という価格はやや高額に感じられる。クラウドへの出力機能などを搭載しない無料版が用意されているので、まずはこちらで使い勝手をチェックしてみるとよいだろう。
項目 | 機能 |
---|---|
自動スキャン | × |
台形補正(自動) | ○ |
台形補正(手動) | ○ |
曲面補正 | × |
明るさ・コントラスト調整 | × |
カラーモード変更 | ○ |
文字のテキスト化 | × |
形式 | PDF/JPG/その他 |
クラウドサービスへのアップロード | ○ |
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