第1回 「Windows 10」は今までのOSと何が違うの?【新連載】変わるWindows、変わる情シス(1/2 ページ)

マイクロソフトの新OS「Windows 10」。もう使ったという方も、まだ試していないという人もいると思うが、あらためてそのポイントを“マイクロソフトの人”に解説してもらおう。第1回はWindows 10が登場した背景やマイクロソフトが向かう方向性について。

» 2015年12月03日 08時00分 公開
[山本築ITmedia]

 こんにちは。日本マイクロソフトで「Windows 10」を担当しています山本築です。読者の皆さんはWindows 10を使ってみましたか? もうインストールしたという方も、まだ試していない方もいると思いますが、現在既に1億1千万以上のデバイスでWindows 10が動いており、その注目度の高さがうかがえます。

 この連載では、Windows 10が企業にどんな影響を与えるかを7回にわたって紹介していきます。第1回となる今回は、Windows 10が登場した背景やマイクロソフトが向かう方向性についてお話しします。

「Windows 10」は今までのOSと何が違うの?

 仕事柄「Windows 8から、なぜ9を飛ばして10になったの?」という声をよく聞きますが、これには“従来のOSとは概念が全く異なる、サービスとしてのOSを提供する”という意味が込められています。今までのOSとは“桁違い”――そんなふうに捉えていただければ幸いです。

 Windows 10が今までのWindowsシリーズと最も大きく異なるのは、プロダクトの提供形態が変わり、サービス化した点です。なぜWindows 10がサービス化に向かったのか。それにはIT環境の変化が大きく影響しています。

 皆さんの仕事を振り返ってみてください。今や、メールは会社から送るものだけではなくなり、いつでもどこでも送ることが可能になりました。自分のスマホを仕事で使うようになったという方も多いでしょう。デバイスの数は人口を上回り、どこにいてもインターネットに接続でき、世の中の情報をいち早く入手できる時代です。

photo メールを送る場所やBYODデバイスの数からも、場所やデバイスを問わない働き方が広がってきつつある様子が分かります

 つまり、仕事がデバイスに縛られることはほぼなくなり、ITはデバイスありきの環境から人のニーズによって動く世界へと変わってきたのです。そのような変化の中で、Windows 10はサービス化に踏み切りました。購入後は基本的に無償で追加の機能が提供されることになります。

 このサービス化によって“商品は購入時からどんどん古くなる”という概念が変わります。例えば携帯電話の場合、モバイル端末のみを買うのではなく、どこかのキャリアと契約すると思います。そして中に入っているOSはアップデートされるし、端末に新しいアプリをインストールすることで、ハードウェアは古くなろうとも常に最新の機能が使えるわけです。

 Windows 10も同様です。常にアップデートをすることで時代に合わせた最新の機能が使えるほか、クラウド、モバイルの時代に日々新種が出てくるマルウェア対策にも柔軟に対応できます。まさに“進化し続けるOS”といえるでしょう。

photo 「Windows as a Service」というのは、機能改善や新機能の追加を無料にすることで、OSを常に最新の状態に保つというメリットがあります

 しかし、情報システム部門の方やアプリ開発者の方々は、常にアップデートするOSをどのように検証し、管理していくのかを懸念していると思います。柔軟さやスピード化が向上する一方で、安定性や信頼性も求められるのが悩みの種。今後の検証作業は、優先順位をつけて効率よく行う必要が出てくると思いますが、モバイル・クラウド中心の世の中でビジネスのスピードを確保するには、この姿勢が必要だと考えています。

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