FinTech、IoT、セキュリティ――ハギー流の2016年占い萩原栄幸の情報セキュリティ相談室(2/3 ページ)

» 2016年01月08日 07時30分 公開
[萩原栄幸ITmedia]

IoT(Internet of Things)

 この言葉も大きな時代の変動を予感させるものだ。FinTechと同様に、ある書物には第4次産業革命に匹敵すると記載されている。セキュリティの専門家としてみると、この道のりは決して輝くだけでなく、裏のダーティな部分もあるので慎重な対応をする必要を感じている。とはいえ、どの企業にも「よそより早くこの流れに乗る」ということが求められているので、さじ加減が難しい。

 ここでの「Things=モノ」とは、IPアドレスを保有している物。例えば、ネット接続の冷蔵庫や自動車などのことを指したり、RFIDタグを搭載した品物そのものを指したりしている。別の解説では「サービスのモノ化」とも説明している。

 IoTについても今後解説していきたいが、深夜までどっぷりと浸かって現場作業をしていると、「IoT」と「FinTech」区別がだんだんつきにくい状況になっていると感じる。むしろ、言葉として切り分けることに意味がないように思うのだ。

 いずれの言葉もその流れに乗ろうとするなら、企業は現在の既定路線の業務フローやビジネスチャンスを破壊しなければならない。そもそも、大きな地殻変動にも似たこの流れにどうのるのか、という事を真剣に考えないと生き残れない。

IoTが主要産業に及ぼす影響(経済産業省資料より)

マイナンバーのその後

 2015年は内閣府と共同でマイナンバーの講演会を開催したり、有料セミナーで講演したりした。マイナンバーでは企業としての対応方法や目先だけでなく、すこし先を見据えることが重要だとお伝えしている。

 マイナンバーは単にデータが1つ追加されるということではなく、本質的には長期的な業務計画レベルで大きな変動をもたらすものであろう。筆者はコンサルティング先の個々の企業と、具体的にどう対応し、どう先手を打つのかについて一緒に活動してきた。

 そうした中で感じるのは、企業が目前の作業でどう変わるのか、といったピンポイントに関心が集中していることである。特定個人情報に位置付けられるマイナンバーの本質的な対応と企業システムの計画との関係は今年大きく変化するはずだが、なかなかそれに気が付かない企業が多い。マイナンバーは2016年において顕著な動きが予想され、今後の動向に注視していくつもりだ。

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