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» 2016年03月22日 17時00分 UPDATE

Weekly Memo:情シスよ、組織の壁を越えよ 「企業のデジタル化」の実態と課題 (1/2)

このところ「企業のデジタル化」が話題に上ることが増えてきた。果たしてその実態はどうなのか。課題は何か。野村総合研究所の最新調査を基に考察してみたい。

[松岡功,ITmedia]

「デジタル化を推進する新しい技術」の採用はまだ少数

 「企業は今後、デジタル化を積極的に推進していかないと生き残れない」――。このところITベンダーがこぞって、ユーザー企業に向けて発信しているのがこのメッセージだ。筆者の記憶では2014年後半頃から「企業のデジタル化」あるいは「デジタルトランスフォーメーション」というキーワードが使われ始めた。

 果たしてその実態はどうなのか。課題は何か。そんな問題意識に対して答えてくれる最新調査の結果を、野村総合研究所(NRI)が3月16日に発表したので、それを基に「企業のデジタル化」について考察してみたい。

 NRIが発表したのは、全業種にわたる国内大手企業501社のCIO(最高情報責任者)や、それに準じる役職者を対象にアンケート形式で2015年12月に実施した「ユーザー企業のIT活用実態調査(2015年)」の結果だ。NRIでは2003年から同調査を毎年行っており、今回、新たに「デジタル化」についての項目を加えたという。以下にその部分を抜粋して紹介しよう。

 ちなみに、NRIではデジタル化を「Webやモバイルを使った顧客行動の分析や、センサーデータに基づく機器・設備保守の高度化など、従来のようなオフィス業務のシステム化とは異なる新しいIT活用やデータ活用のあり方」と定義している。

 まず、新技術への関心と取り組み状況については、「デジタル化を推進する新しい技術」の採用はまだ少数であることが判明した。内訳を見ると、「データマイニング」を「導入済み」の企業の割合は10.1%だったが、「ウェアラブル・デバイス/ウェアラブル・コンピュータ」「人工知能・機械学習」「IoT(Internet of Things)」「非構造化データベース」はいずれも5%未満にとどまった。しかし、3〜4割の企業がこれらの技術を「導入を検討中」「今後検討したい」と回答していることから、注目度の高さとともに今後の進展も予想されるとしている(図1)。

Photo 図1:新技術への関心と取り組み(出典:野村総合研究所の「ユーザー企業のIT活用実態調査(2015年)」)

企業のデジタル化で求められる情報システム部門の役割

 次に、企業のデジタル化に相当する新たなIT活用やデータ活用の9分野の取り組みにおける実施・検討状況を聞いた質問では、「積極的に実施」「実施」の合計割合が高かったのは、「営業・販売データ(Web以外)に基づく顧客のニーズや行動の分析」(32.5%)、「営業・販売現場での新技術導入による顧客への提案力の向上」(27.4%)だった(図2)。

Photo 図2:新たなIT活用、データ活用の実施(出典:野村総合研究所の「ユーザー企業のIT活用実態調査(2015年)」)

 また、その9分野の取り組みの推進主体となる部門については、全分野で「事業部門」と回答する企業が最も多い結果となった。実施企業が多い前述の2分野では、事業部門が推進主体である割合がそれぞれ57.6%、57.1%と特に高いことも分かった。こうした状況から、企業のデジタル化は事業部門が自部門のマーケティングに活用する形で進んでいると、NRIでは分析している(図3)。

Photo 図3:新たなIT活用、データ活用の推進組織(出典:野村総合研究所の「ユーザー企業のIT活用実態調査(2015年)」)
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