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» 2016年03月23日 08時00分 UPDATE

クラウド社会とデータ永久保存時代の歩き方:第12回 オブジェクトストレージを上手に使うチェックリスト(後編) (1/2)

オブジェクトストレージをいざ使うとなると、具体的にどんな方法を選択すべきか悩んでしまいます。前回に引き続きオブジェクトストレージを上手に使うための10項目をご紹介します。

[井上陽治(日本ヒューレット・パッカード),ITmedia]

 オブジェクトストレージをいざ使うとなると、具体的な方法をどう選択すべきかについて悩むことがあります。前回はオブジェクトストレージを上手く使うための10項目のポイントを挙げ、そのうち前半の5つを紹介しました。今回は後半の5つを解説します。

チェックポイント

 前回も取り上げましたが、オブジェクトストレージを上手く使うためのポイントは以下の10項目です。

項目 確認事項 回答例
1 現在使用しているアプリケーションのインタフェースは何か? またその種類は今後拡張されるか? 現状―RESTful API(S3)、NFS/CIFS。将来―OpenStack (Swift, Cinder)
2 オブジェクトデータのアクセス特性は?  アクティブ・コールド・凍結データ
3 コンテンツの種類、容量 ファイルシェア・バックアップ・監視カメラ映像など
4 現在と今後3年〜5年の容量 現状1ぺタバイト、年率50%増加
5 単独サイトか、複数サイトか? 自然災害などからのデータ保護を目的に北米、アジア、ヨーロッパの3拠点に同一データを保存
6 データは複数の場所からアップロード/ダウンロードされるか? また、保存地域の制限があるか? 5カ所のブランチオフィスから2カ所のデータセンターに保存または読出しを行う。データ保管はヨーロッパ内限定。
7 DR(災害対策)またはバックアップ用途の場合、どのような要求事項があるか? RPOが24時間以内、RTOが2時間以内
8 個別の独立したオブジェクトストレージか、クラウドの一部として利用されるか? 外部クラウド間でのデータ移行が必須
9 どれくらいの技術レベルの人材が、オブジェクトストレージの実装と運用を行うのか? OpenStackベースで自社エンジニアが構築
10 現在までに利用したオブジェクトストレージの実績とフィードバック、今後の期待する技術はあるか? 従来の社内ファイルストレージからの置き換えでコストは下がったが、性能は低下

6.データは複数の場所からアップロード、またはダウンロードされるか? 保存地域の制限があるか?

例:5カ所のブランチオフィスから2カ所のデータセンターに保存、または読出しを行う。データ保管はヨーロッパ内限定。


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 オブジェクトストレージ利用の注意点として、以前に排他制御ができないことと触れましたが、最近ではそれをゲートウェイなどで解決するソリューションも出てきています。基本的にはアクセスリクエストをキャッシングしてキューイングするのですが、そのようなものを使わない場合は、オブジェクトストレージの上位側で、アクセス制限をかける仕組みを設ける必要があります。

 一方で、同時に複数サイトに同じデータの書き込みを行うのには、非常に効率的です。コンテンツ配信などの場合は、オブジェクトストレージの得意分野である、「同時に大量のコピーの生成」を行い、配信サーバへキャッシュして、コンテンツの同時大量配信を可能にできます。

 データの保管先も確認が必要なケースがあります。EUではEU外へのデータの持ち出しが制限されるケースもあり、オブジェクトサービスを利用する際には、気を付ける必要があるでしょう。

7.DR(災害対策)またはバックアップ用途の場合、どのような要求事項があるか?

例:RPOが24時間以内、RTOが2時間以内


 バックアップの場合はあらかじめRPO、RTOを設定することが重要です。RPOは「Recovery Point Objective」の略で、「どれくらい前のデータまで復元できるか」を意味します。例えば、1日に1回しかバックアップしない場合は、最長で「RPO=24時間前のデータ」しか戻すことができません。最近はスナップショットを頻繁に採取して、それをバックアップするケースがありますので、この数値が短くなるケースもあります。

 RTOは「Recovery Time Objective」の略で、データの復帰までの時間を意味します。当然オブジェクトストレージの性能もあるのですが、同一サイトにバックアップデータがある場合は別として、遠隔地にバックアップデータがある場合は、その場所から実際の障害の発生したサイトまでの回線の帯域を考慮する必要があります。同様にDRの場合も通常の性能は期待できませんので、DR時にどれくらいの性能までなら最低限の事業が継続できるかを考慮しておくことが必要でしょう。

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