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» 2016年05月13日 08時00分 UPDATE

「自転車×IoT」で新サービス、青森ベンチャー発「ナビチャリ」が地方観光を救う?

バスやローカル路線といった観光用の交通インフラが整備されていない地方の観光地は多い。最近は、自転車とIoTを使って観光客の課題を解決しようとする動きがある。

[東侃輝,ITmedia]

 自転車で観光地を回る「サイクルツーリズム」が注目されている。新幹線や電車は通っていても、観光地を巡るのに適した交通手段が少なく、せっかくのコンテンツを生かしきれていない自治体が多いためだ。

 そんな背景からレンタサイクルの導入を検討する自治体が増えているが、自転車にも課題はある。乗っている間はガイドブックやスマートフォンを使って情報を見ることができず、土地勘がない場所で道に迷ってしまう可能性もあるからだ。

 そんな問題を解決しようと、青森県が導入したのがGPSと連動する音声ガイド付き自転車「ナビチャリ」だ。同県はサイクルツーリズムを推進する動きが盛んで、2014年には「青森県サイクル・ツーリズム推進協議会」を設立している。このサービスを導入することで、「せっかく北海道新幹線が通ったものの、沿岸部を中心に観光関連の交通インフラが少ない」という課題を解消するのが狙いだ。

 このナビチャリのシステムを「第5回 IoT/M2M展」(5月11日〜13日、東京ビッグサイト)で、青森県のベンチャー企業フォルテが展示している。電動自転車に装着したガイド端末で位置情報を取得し、位置情報と連動した観光名所への道案内や解説を、耳をふさがない骨伝導イヤフォンから流すというサービスだ。

photophoto ナビチャリと骨伝導スピーカー(写真=左)。ナビチャリを自転車に装着したところ(写真=右、出典:あおもり産品販売促進協議会)

 もともと、地域観光の情報ポータルサイトや地図情報提供システムなどを運営していた同社は、5年前に新幹線開通後の二次交通手段を見据えてナビチャリの開発に着手した。多言語に対応しており、登録すれば方言によるナビも可能だ。事例はまだ少ないが、取得した位置情報データを分析することで、旅行者の回遊促進にも役立てられるという。

photo 大分県玖珠郡玖珠町の道の駅「童話の里くす」での導入例。利用者には通ったコース地図、走行距離、消費カロリー、天候、高低差などが載ったシートを渡している(出典:未知倶楽部)

 「サービス開始以来、交通インフラの整備が不十分な自治体からの問い合わせが増え、導入に至るケースも多い」(同社)とのことで、ナビチャリの評判が自治体間で広まり、2015年には大分県や佐賀県でも導入された。

 地方観光での導入が進む一方で、今後は都市部の観光用途で導入が進む可能性もあるという。多言語対応という特徴もあり、2015年12月に経済産業省関東経済産業局がまとめた、東京オリンピックを見据えた地域活性化戦略プランに「ナビチャリ」のシステムが採用されたからだ。観光客の増加で混み合うと予想される交通インフラを支える存在として、各方面から注目が集まっている。

 「位置情報とSIMさえあれば、できることは大きく広がる」と同社。IoTの力で自転車が果たせる役割が大きく変わりつつあるようだ。

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