情シスが“女子高生AI”の使い手になれば、会社の利益が上がる!? そのからくりはMS西脇氏×NTTソフト安田氏エバンジェリスト対談(1/3 ページ)

クラウドやAI、IoTなど、次々と新たな技術が登場する中、情報システム部門はこうした技術をどのように取り込み、どのような形で業務に生かしていけばいいのだろうか――。マイクロソフトとNTTソフトウエアのエバンジェリスト対談から見えてきた結論は。

» 2016年08月23日 08時00分 公開
[やつづかえりITmedia]

 テクノロジーが人々の行動を変える――。この夏の「Pokemon GO」フィーバーで、あらためてそう実感した人も多いのではないだろうか? これはエンターテインメントの世界だけの話ではなく、企業における人々の働き方もテクノロジーによって大きく変わり始めている。

 クラウドやAI、IoTなど、次々と新たな技術が登場する時代の変革期に、情報システム部門にはどんな役割が求められるのだろうか。マイクロソフトの西脇資哲氏、NTTソフトウエアの安田航氏の両エバンジェリストに聞いてみた。

Photo マイクロソフトの西脇資哲氏(右)とNTTソフトウエアの安田航氏(左)

業務システムは、もっとラクで楽しいものになっていい

Photo ARを身近にした「Pokemon GO」

安田氏 「Pokemon GO」、やってますか? あのゲームは、「AR(拡張現実)ってこういうものなんだ」ということを、一瞬で理解させてくれましたね。

西脇氏 年齢も性別も関係なく、みんなが楽しめるところがよくできていますよね。今後、飽きさせないためにどんな戦略を取っていくかが課題ではありますが、どこにでもスマホを持っていく私たちのライフスタイルには、すごくフィットしたゲームですね。

安田氏 これからは、仕事も“歩いている途中のちょっとした時間でできる”ような時代が来るんじゃないでしょうか。今までは、「キーボードで何かを入力する」のに抵抗感があって、システムをうまく使えない人たちがいたと思うんです。でも、歩きながらスマホアプリでボットと話すだけで入力が完了したり、必要な情報を得られるような仕組みが実現すれば、心理的な障壁なくシステムを利用できますよね。

 今、ボットや人工知能を使ってシステムと人との間のインタフェースを変えていくような話も出てきていますが、西脇さんはこうした技術がワークスタイルをどう変えていくと思いますか?

西脇氏 マイクロソフトも、「Cortana」や「女子高生AI りんな」のような人工知能を使って、何ができるか日々、試行錯誤しています。Cortanaもりんなも、入り口は音声やテキストを理解し、後ろに控えている大きな人工知能の力を借りて会話を進めていくというものです。

 こういうものを(業務の入力インタフェースとして)使えば、確かに私たちの作業はラクになるでしょう。実は、ラクになるだけではなく、「楽しくなる」のも大きなポイント。今のITって「ラク」と「楽しい」の両方が成立しないと、使い続けてもらうのは難しいと思うんです。

 古めかしい情報システムにキーボードを使って入力するのが嫌な理由って、「つまらない」からですよね。経費精算のようなものすごくつまらない作業を、わざわざキーボードを使ってやるの、誰だってイヤでしょう? だったら楽しくできるようにすればいいんです。

 あと、コンピュータで行う事務作業って昔から「転記」なんですよ。1度紙に書いたことや、さっきお客さんと話したことをあらためて入力するといったような。二度手間だし、面倒ですよね。これを、自然な会話や行動でできればいいですよね。そのために、対話型のAIやボットがすごく役に立つと思います。転記しなくていいし、何より楽しいですからね。

安田氏 なるほど。ラクにするだけじゃなくて楽しいものにすると。

西脇氏 ただこの場合、対話相手のAIは、自分より上の立場の人じゃだめなんですね。誰だって部長と会話なんかしたくないじゃないですか(笑)。

安田氏 いちいち敬語を使わなければいけないAIなんて、面倒ですものね(笑)。

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