この件、サポートの方の心境も察することができるほど、イレギュラーな事態であることは理解できました。結局、サポートからは「マリオ氏が店舗にやってきて、サポートを依頼したときにはコメント可能なので、じっと待ちます」という返答が来たので、それ以上は要求できませんでした。
特にGmailのような、誰にでも取得できるサービスのメールアドレスは、ドメイン名が一緒であるため、こういった「間違い」が起きる可能性もあります。知人に今回の件をSNSでグチったら、意外にも「私もこういうことがあった!」という方が多かったのが印象的でした。
これを予防するには、あらかじめ著名なサービスのアカウント登録を、自分で先にやっておくことくらいしか思い付きません。しかし、使っていないアカウントを登録することは、リスクですし無駄でしょう。こうなると、最終的には一番スマートな方法として「脳内消去」――見なかった、なかったことにするくらいしかないですね。
ただし、これは「サイバー攻撃」にも使える手法であることは否めません。サービス事業者はメールアドレスを登録させたあと、アクティベーションのためのURLをメールで送信し、所有していることを確認してからサービス登録するという方法を徹底していただきたいと思います。
今日もそうやって、マリオ氏に向けて届いたであろう、さっぱり読めないポルトガル語のメールをそっと「間違い」フォルダに移動するのでした。あなたのメールアドレスは勝手に使われていないでしょうか? ぜひ一度お確かめになってはいかがでしょう。
(続く)
元@ITの編集者としてセキュリティ分野を担当。現在はフリーライターとして、ITやエンターテインメント情報を追いかけている。自分の生活を変える新しいデジタルガジェットを求め、趣味と仕事を公私混同しつつ日々試行錯誤中。
筆者より:
2015年2月10日に本連載をまとめた書籍『デジタルの作法〜1億総スマホ時代のセキュリティ講座』が発売されました。
これまでの記事をスマートフォン、セキュリティ、ソーシャルメディア、クラウド&PCの4章に再構成し、新たに書き下ろしも追加しています。セキュリティに詳しくない“普通の方々”へ届くことを目的とした連載ですので、書籍の形になったのは個人的にも本当にありがたいことです。皆さんのご家族や知り合いのうち「ネットで記事を読まない方」に届けばうれしいです。
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