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» 2016年10月21日 08時30分 UPDATE

「ムーアの法則」を超える新世代コンピューティングの鼓動:IoTのデータをフル活用した先にできることを予想すると…… (1/2)

IoTの時代に私たち膨大な情報を得ることができます。この情報を全て有効に活用できたとしたら、どのようなことができるようになるのでしょうか。そのシナリオを占ってみます。

[三宅祐典(日本ヒューレット・パッカード),ITmedia]

飛行機IoTのミライ

 先日、飛行機に乗る機会がありました。当日の空港で台風の影響を告げるアナウンスがありました。

「当空港を発着陸する航空機からの天候情報により、当機はフライト中の揺れが予想されます。常時シートベルトの着用をお願いする場合がありますので、お手洗いは搭乗前にお済ませください」

 どうやら、航空機からの天候情報をすぐに地上で利用できるようになっているみたいですね。

膨大な航空機からの情報をフル活用すればさまざまなことが可能になります

 でも、航空機はもっと多くのデータを生み出しています。あらゆる情報を全て有効に活用することこそ、IoT時代の真骨頂だと言えるでしょう。

 例えば、航空機の遅延に関連するさまざまなデータを収集すれば、そこから原因とパターンの傾向を分析することができます。パターンのデータは既にあるので、こういう要因が発生すると何が起こるかというシナリオをあらかじめ計算しておけば、実際に遅延が発生したときは、そのシナリオに沿って最適な行動をとることで、多くの航空機が遅延して混乱する事態を避けられます。

 仮にシカゴの空港で雪が降ったとします。雪の量によっては、発着陸が不能になり航空機ネットワークが大混乱に陥ります。どの程度の雪がどのぐらいの時間に降れば、そのような事態になるのでしょうか。これもデータとパターンがあらかじめ分かっていれば、対応シナリオに沿って混乱することなく対処できると、多くの航空機が遅延することなく目的地に到着できるでしょう。

 また、遅延解消以外にも役立つはずです。同じ便を何度も利用している“経験値の高い”利用客は、いつもどのゲートに到着するのかが大体分かっていて、そこからどのルートを歩き、どのタイミングで預け入れた荷物が出てくるのかもよく分かっていますから、余裕のある行動がとれ、予定した時間通りに帰宅できるでしょう。

 しかし、乗り慣れない人はどちらに行けば良いのか分からず、前を歩く人について行きがちです。荷物を受け取って到着ロビーに出てから初めて家に向かう交通機関を調べ、チケットを買う列に並ぶといったように、出発から帰りまで時間がかかり、ただでさえ疲れているのにより疲労が重なってしまうものです。

 乗り慣れた人でも、飛行機がいつもと違うゲートに到着すれば多少予定が狂いますし、日本の空港では滅多にありませんが、預け入れた荷物がなかなか出てこないという事態も起こり得ます。

 こうした利用者の行動パターンとデータを適切に利用できれば、航空会社側も変化する事態に対応して、利用者ごとに適切な案内が可能になります。順調な飛行によって予定より早く着いでも空港で待たされるといったことがなくなりますし、利用者が到着したゲートからどれぐらいの時間で空港の外に出られるかも分かるようになります。それに併せて、帰りの交通機関まであらかじめ予約手配されるようになれば、最短で自宅に帰り着くことができるようなサービスの実現も期待できます。

パターンとデータから予測をもとにした行動の最適化が実現するかもしれません
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