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» 2017年08月04日 12時30分 UPDATE

地方創生のカギはデジタル産業革命にあり NEC執行役員の石橋氏 (1/2)

さまざまな課題を抱える西日本の地方都市は、ITの力で再生できるのか。NEC 社会公共ビジネスユニット 西日本担当執行役員の石橋研二氏に聞いた。

[後藤祥子,ITmedia]

 デジタル産業革命がビジネスを変える――。これは、7月7日に大阪で開催されたNECの年次カンファレンス、「iEXPO KANSAI 2017」のテーマだ。

 過疎化や高齢化への対応、雇用創出、地方創生など、さまざまな取り組みが急務の西日本の地方都市は、ITの力で再生できるのだろうか。また、西日本の大都市圏はITの力を借りて、どのような形でさらなる成長を遂げられるのか――。NEC 社会公共ビジネスユニット 西日本担当執行役員の石橋研二氏に聞いた。

都市型、地方型の課題をどう解決するか

――経営課題をITで解決しようという動きが活性化する中、石橋さんの目から見た西日本のIT活用の概況を教えてください

Photo NEC 社会公共ビジネスユニット 西日本担当執行役員の石橋研二氏
石橋氏:西日本では、東日本大震災をきっかけに、「東京への一極集中をなくしていこう」という動きが活性化しています。さまざまな立場の方々がいろいろと試行錯誤していますが、結果的には人口減が続いていることからも分かる通り、まだ東京一極集中という現状は変わっていません。

 特に地方都市では、高齢化や過疎化で自分たちの住む都市が破綻を来すのではないかという不安を抱えている方々も少なくありません。しかしそうした中で、各県の知事の方々が「どうしたら若い人たちをひきつけられるのか、産業を誘致できるのか」といったことを懸命に考え、形にしようとしています。

 そうした流れもあって、地域を盛り上げるイベントの誘致や、地域オリジナル製品のブランド価値を向上させようというDMO(Destination Management/Marketing Organization)などの動きが盛んなところは、東日本との違いかもしれません。

 一方で、西日本の大都市圏では、これからさまざまなイベントが予定されています。2019年にはラグビーワールドカップが開催されますし、大阪に万国博覧会を招致しようという構想もあります。2016年末に成立したカジノ法案(IR整備推進法案)には、大阪が候補地として手を上げるなど、関西の大都市圏は元気ですね。

――こうした西日本各地の活性化の取り組みに、ITはどのような形で貢献できるのでしょうか

石橋氏:関西の大都市圏で開催されるイベントでは、どのような準備をすればいいかという課題をしっかりと定義した上で、ITを使った解決策を見つけていく必要があるでしょう。

 さまざまな国からたくさんの人が訪れるビッグイベントでは、犯罪を未然に防いだり、何かが起こったりしたときにすぐ検知する仕組みが必要とされています。ここでは私たちが得意とする顔認証技術が役に立つのではないでしょうか。

 今回のiEXPO KANSAI 2017では、進化した顔認証ソリューションを展示しています。

 1つは、群衆の映像から監視リストに載っている人物を判別する技術です。これまで数十秒かかっていたものが、技術の進化で瞬時にできるようになりました。スタジアムに不審者が紛れ込んでいたときにも、すぐ分かるでしょう。

Photo 進化したNECの顔認証システムは、50人くらいの顔が同時に映っている映像と監視リストをスピーディーに照合してフィードバックできる点と、精度の高さが進化のポイントだ

 もう1つは、“人がどこを見ているか”が分かる「視線検知」の技術です。万引き防止などの防犯用途で使えるほか、例えば、「ショップでどの棚を見ているか」といったことまで分かるので、マーケティングなどのビジネス用途でも活用できると思っています。

 顔認証のほかにも、今回は「事件や事故に関わる音を検知する技術」も展示しています。雑踏の中で悲鳴や爆発音だけを検知するというもので、20メートル先のガラスが割れた音もキャッチできるんです。

Photo 顔認証の技術を応用して視線を推定。黒目や目尻、目頭の位置と動きから、どこを見ているかを推定している。10メートルくらい離れていてもどの方向を見ているかが分かるという
Photo 雑踏の中で悲鳴や爆発音などの危険音を検知する技術。音を構成音という要素に分解し、そのパターンをAIで学習する。危険音のパターンを持つ構成音が鳴るとアラートを出す。音そのものよりも危険音を判別しやすく、20メートル先のガラスの割れた音を判別できるという
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