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» 2017年08月15日 07時00分 UPDATE

部下がついてこない上司には別の役割を ヤフーが語る「働き方改革の前にすべきこと」 (1/2)

今でこそ、爆速で次々と新サービスを生み出しているヤフーだが、過去には大企業病に陥り、スピード感が停滞してしまったこともある。そんな窮状から脱し、再び成長軌道に乗せるために、ヤフーはどんな改革を行ったのか。

[やつづかえり,ITmedia]
Photo ヤフー コーポレートPD本部 本部長を務める湯川高康氏

 2016年、週休3日制の導入を目指すことが報道され、話題になったヤフー。最新技術を駆使したサービスを次々と生み出している点などが評価され、経産省と東証による「攻めのIT経営銘柄 2017」にも選ばれた同社は、働き方改革とイノベーション創出の両立に本気で取り組む企業の1社だ。

 しかし、今でこそ爆速で次々と新サービスを生み出しているヤフーだが、同社には大企業病に陥り、スピード感が停滞してしまった過去がある。

 停滞という病から立ち直り、再び攻めの姿勢に転じたヤフーの社内ではどんな改革がなされていたのか――。コクヨ主催のワークスタイル改革セミナーで語られた、同社の取り組みを紹介する。

本社移転を機に新しい働き方を促進

 セミナーの基調講演に登壇したヤフー コーポレートPD本部 本部長の湯川高康氏は、14年前に同社に転職し、人事を担当している。“働く環境は生産性に大きく影響する”ということから、オフィスファシリティ部門も湯川氏の配下にある。

 湯川氏の最近の大仕事は、2016年10月のオフィス移転だ。移転の3年ほど前から新オフィスのコンセプト作りに着手していたという。

 これからの働き方はどう変わっていくのか――。社員が社外の有識者とセッションを繰り返しながら案を練り、経営陣に向けてプレゼンを行った後、「グッド・コンディション」「オープン・コラボレーション」「ハッカブル」という3つのコンセプトが決まり、それぞれ次のような形でオフィス環境に反映された。

Photo 新オフィスのコンセプト

グッド・コンディション

 同社の競争力の源泉は人と情報であることから、社員のコンディションを環境面からサポート。空調は各エリアで調整でき、畳やマッサージチェアが置かれた休憩スペースの他、入居するビル内にクリニックも設置している。

オープン・コラボレーション

 社内外とのコラボレーションのきっかけとなるよう、「LODGE」というコワーキングスペースを、現在、無料で開放している。また、社員同士の接点を増やすために、執務エリアを全館フリーアドレスとし、デスクをジグザグに配置する、オープンなミーティングスペースを豊富に用意する、役員フロアは上層階ではなく最下層に位置し、普段は役員もオープンスペースで執務するなど、さまざまなしかけを施している。

ハッカブル

 常に“挑戦者”の気持ちでいるために、オフィスも完成形ではなく、進化し続ける場と位置付けている。

働き方の自由化を進め、社員のパフォーマンスを最大化する

 座席のフリーアドレス化など、ヤフーが社員の自由度を高める背景には、「働き方の選択肢を増やし、社員の才能と情熱を解き放つ」という人事のコンセプト、そして「会社と社員はイコールパートナー」という考え方がある。会社は社員を支配したり管理したりするのではなく、活躍できる舞台を作る。一方、社員はその舞台を生かし、会社への貢献という責任を果たすという関係だ。

 どれだけ忙しくても、プライベートで遊びを楽しむ気力や余裕があれば大丈夫。そうでないときは、心や体が疲れている兆候――。そんな実体験も交え、「いきいきと働くためには、“充実した生活を送れている”ことを実感できるかどうかが、とても大事な指標の1つ」と湯川氏は話す。仕事の内容だけでなく、心身の健康や生活の充実、人間としての成長といった、「社員それぞれの幸せを左右する要素にまで目配りしよう」という意思が感じられる。

 しかし、単に自由な働き方をできるようにすれば生産性が上がるというものではない。湯川氏も、「形だけのフリーアドレス制や働き方の多様化ではうまくいかない」と指摘する。同氏によれば、働き方の自由度が増しても組織としての機能が損なわれず、成長し続けていられるのは、5年前から続けている「1on1ミーティング」(以下1on1)があるからだという。

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