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» 2017年10月12日 14時00分 公開

即席!3分で分かるITトレンド:コレ1枚で分かる「AIの3つの役割と人間の進化」

人工知能(AI)は人の仕事を奪うのものなのか、人を助ける道具なのか。AIを「自律化」「知的望遠鏡」「知的介助」という3つの役割から考えてみると、すっきり整理できます。

[斎藤昌義(ネットコマース株式会社),ITmedia]

この連載は

 カップめんを待つ間に、電車の待ち時間に、歯磨きしている間に“いまさら聞けない”ITトレンドが分かっちゃう! いまさら聞けないITの最新トレンドやビジネス戦略を、体系的に整理して分かりやすく解説する連載です。「この用語、案外、分かっているようで分かっていないかも」「IT用語を現場の社員にもっと分かりやすく説明できるようになりたい」――。情シスの皆さんのこんな課題を解決します。


 「道具」は、人間の労働負担を軽減するために生み出されました。そんな道具を人間は使いこなし、さらに道具を発展させることで社会や産業の発展を促してきたのです。

 道具はまた、人間と機械の役割分担をも変化させ、人間が新たなことに取り組む機会を提供してきました。それが、新たなことへと心を向ける時間や気持ちの余裕を生み出し、科学を発展させ、それがまた道具の発展を促してきたのです。

 そんな道具の発展は、思想や文化にも影響を与え、人間の社会的な進化を促してきたともいえるでしょう。人工知能(AI)もまた、そんな道具の発展の延長線上に位置付けて考えることができます。

Photo 【図解】コレ1枚で分かる「AIの3つの役割と人間の進化」

 AIの道具としての特徴を挙げるとすれば、「人間の知的作業を自動化し、知性を拡張する」ことにあります。そして、これまでの道具と同様に「人間の新たな役割を生み出し、進化を加速する」手助けをしてくれます。

 そんなAIの代表的な役割として、「自律化」「知的望遠鏡」「知的介助」の3つを挙げることができます。

 自律化とは、機械自らが手順や判断基準を見つけ出し、人間が介在することなく実行することです。人間の与えた手順や基準に従って、人間が介在することなく実行する「自動化」とは異なり、機械学習や認知機能によって未知の状況にも対応し、自ら判断して実行することができます。それは、自動車や産業機械、情報システムなどに生かされています。

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 知的望遠鏡とは、これまで人間には見えなかったことが見えるようになることです。人間とは桁違いのスピードで膨大なデータの中にある関係性や規則性を見つけ出し、これまで人間が気付くことのできなかった特徴やパターンを教えてくれます。ガリレオ・ガリレイが当時の最先端技術である望遠鏡で木星の衛星や土星の輪を発見し、近代天文学の基礎を築いたように、AIの技術によって、これまで見えなかったものが見えるようになり、人間の知性の進化を促してくれるでしょう。それは、医療診断や産業データの分析、各種学問分野などに生かされています。

 知的介助とは、人間がいちいち難しい機械の操作方法を覚えなくても、普段使っている日常の言葉で話し掛けるだけで操作できたり、人間の曖昧さや過ちを見抜いて正しい操作を助けてくれたりと、機械が人間に寄り添うことでその操作を助けてくれます。例えば、音声認識ができる家電製品、日常使う言葉での対話に応えて情報を検索したり機器を操作したりしてくれる端末などに生かされています。

 「AIが仕事を奪う」という不安を持つ人もいますが、それはAIだけのことではなく、道具の発展はこれまでも人間の仕事を奪ってきたのです。しかし、そのたびに人間は新たな役割を生み出し、社会を発展させ、自らの進化を促してきたのです。AIの技術もまた、そんな道具を手にした人間の進化の過程として捉えてみてはどうでしょう。

著者プロフィール:斎藤昌義

【図解】コレ1枚でわかる最新ITトレンド [増強改訂版]

 日本IBMで営業として大手電気・電子製造業の顧客を担当。1995年に日本IBMを退職し、次代のITビジネス開発と人材育成を支援するネットコマースを設立。代表取締役に就任し、現在に至る。詳しいプロフィールはこちら。最新テクノロジーやビジネスの動向をまとめたプレゼンテーションデータをロイヤルティーフリーで提供する「ITビジネス・プレゼンテーション・ライブラリー/LiBRA」はこちら


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