英ARMはセキュアなIoTデバイスを構築するための業界共通フレームワーク「Platform Security Architecture」(PSA)を発表した。
IoTデバイスの普及に伴い、セキュリティ上の懸念も高まるなか、ソフトバンク傘下の英ARMは10月23日、セキュアなIoTデバイスを構築するための共通業界フレームワーク「Platform Security Architecture」(PSA)を発表した。
ARMとソフトバンクは2016年のARM TechConで、2035年までにIoTデバイスを1兆台とする構想を発表。ARMでは2021年までに2000億台のARMベースチップの出荷を見込んでおり、相互に通信するそうした多様なデバイスを、共通のセキュリティ基盤に基づいて設計する責任があると強調する。
PSAでは、主要セキュリティ原則に基づくハードウェアとファームウェアのアーキテクチャ仕様を通じ、エンドポイント端末のためのベストプラクティスアプローチを定義する。
IoTのエコシステムにPSA規格を浸透させるため、オープンソースのリファレンス実装ファームウェア「Trusted Firmware-M」を開発。まず「ARMv8-M」をターゲットとして、2018年初頭を目標にソースコードを公開する。
PSAについては、クラウド大手のAmazon Web Services(AWS)やMicrosoft Azure、Google Cloud Platformをはじめ、CiscoやSymantecなどの大手を含む多数の企業が、支持や賛同を表明しているという。
ARMでは、「PSAはIoTセキュリティの経済を根本からシフトさせる。業界が共通の基盤ルールに基づいて、コストや時間を削減し、現在のIoTセキュリティにまつわるリスクを低減させることが可能になる」と説明している。
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