レノボ・エンタープライズ・ソリューションズがThinkAgileシリーズを拡充し、ラック型のNutanix搭載モデルとVMwareのvSAN搭載モデルを発売する。
2017年12月13日、レノボ・エンタープライズ・ソリューションズ(レノボ)が、同社としては初となるVMware Virtual SANを搭載した「ThinkAgile VX」と、Nutanixのアプライアンス製品としては業界初というラック単位での導入を実現した「ThinkAgile SX for Nutanix」を発表、同日から発売した。価格は前者が780万円〜(サーバ3台を含む)、後者が1500万円〜(サーバ4台を含む、いずれも税別)となる。
レノボは、2017年7月12日に発表した「Converged HX(HCI)とDX(SDS)の各シリーズもThinkAgileファミリーに統合」を皮切りとして、10月10日に「第3世代のThinkAgile HXシリーズ」を発表、そして12月7日に「レノボが日商エレと協業、Azure StackによるハイブリッドクラウドのThinkAgile SXMシリーズを共同展開」と、相次いでHCI(Hyper-Converged Infrastructure)製品を投入してきた。
拡大を続けるコンバージド・システム市場に対応すべく、発表会では同社代表取締役社長 ロバート・スティーブンソン氏が「2017年7月に発表したThinkAgileとThinkSystemシリーズ以降、会社そのものを変革させるために重要かつ戦略的な製品を展開してきた。ベンダーとしては選択肢をそろえるのが大事だと考えており、グローバルでサポート体制も充実させている」と説明する。
同社アライアンス&マーケティング本部 ソリューション開発部 部長 レノボ・サーバー・エバンジェリストの早川哲郎氏は、「今まで使ってきたシステムを継続して利用するには“お守り”のコストが思った以上に多くかかっている。ITによるイノベーションを起こすことで、競合に勝っていくのがITインフラには欠かせない要素だ。ソフトウェアによる制御でワークロードを削減していこう、データセンターの課題を解決していこうと具現化した製品がThinkAgileシリーズだ」と話す。
今回発売したThinkAgile SX for Nutanixは、10月に発表した第3世代ThinkAgile HXシリーズに続く製品で、Nutanixのソフトウェアをベースにした製品をラック単位で出荷するというのがコンセプトだ。
早川氏は「ラック単位で顧客に届けられるのは現時点で当社のみだ。新機能のThinkAgile Network Orchestratorを使えば、仮想OSの追加・削除・移動などに関わるVLANの設定変更が自動化され、ネットワーク管理者の負荷や操作ミスによるヒューマンエラーも激減する。さらに2018年春以降にリリース予定のThinkAgile XClarity Integrator for Nutanixを使えば、物理管理と仮想管理を一体化できる。独自のProactive Platform Alert機能により、ハードウェアの不具合を事前に検知し、故障する前に安全な待避が行える」とアドバンテージを述べた。
一方のThinkAgile VXは、近年採用例が増えているVMwareのvSanを採用したもので、ストレージの容量や構成などが異なる3モデルを用意する。vSAN環境により、購入や運用、設計コストなどが大幅に削減できるほか、ハードとソフトの管理を統合したソフトウェア「ThinkAgile XClarity Integrator for vCenter」を使えば、手間のかかるファームウェアのアップグレードもシステムを停止せずに行え、ダウンタイムの削減に貢献するという。
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