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» 2018年01月21日 08時00分 公開

榊巻亮の『ブレイクスルー備忘録』:部下の成長を加速させるのはどっち? ドーラとナウシカのリーダーシップ (1/3)

部下の成長を加速させるリーダーシップとは? ジブリ作品の登場人物「ドーラ」と「ナウシカ」を例に、今、求められているリーダーの姿を考えます。

[榊巻亮,ITmedia]

この記事は榊巻亮氏のブログ「榊巻亮の『ブレイクスルー備忘録』」より転載、編集しています。


 スタジオジブリのアニメ作品、『天空の城ラピュタ』を見るたびに、リーダーシップの在り方について考えさせられる。

 誰もが、“自分が思い描くリーダー像”があり、その姿は人それぞれ違うだろう。僕の憧れのリーダーは、天空の城ラピュタに登場するドーラだ。「ドーラ一家」の家長にして海賊船船長のドーラ。彼女はすごい。

 そこで今回は、ジブリ作品でもう一人、気になるリーダーである『風の谷のナウシカ』のナウシカと比べながら、今、求められているリーダー像について考察してみよう。

ドーラのリーダーシップ

 ゴリアテとの絶望的な戦力差がありながら、素晴らしいリーダーシップでチームをまとめ上げ、ゴリアテと対等に渡り合った上、誰一人として犠牲者を出さずに山ほどお宝をゲットするドーラ。行動力、決断力、情報収集力、チームをまとめ上げる力と、どれを取っても一級品。さらに腕っ節は強いわ、計算は早いわ、その上、3児の母だ。すごすぎる。

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 「40秒で支度しな」という名ぜりふも、よく考えると感慨深い。「とっとと支度しな」ではなく、時間を明確にしている。しかも、30秒でも45秒でも1分でもない。「40秒」――何かの基準に基づいてパパッと計算して言ったに違いない。理由がなければ出せない数字だ。

 タイガーモス号でゴリアテを追跡する際も、「ママァ、ゴリアテの方が足が速いよどうするの?」という息子の情けない声に対して「あたしら、ヤツの風上にいるんだ。貿易風をつかまえれば……風力が10、と……。なーんとかなりそうだ。みんな、よーくお聞き!! ゴリアテは既にラピュタへ出発した。本船はこれより、追跡を開始する! 風をつかまえれば明日には接触できるはずだ」と、自分で風の向き、ゴリアテとの位置関係を捉えて、貿易風の知識まで掛け合わせて一瞬で計算。さらに、チームに揺るぎない語調で指示を出している。経験と、確かな論拠に基づいた力強い言い切り。素晴らしいリーダーシップを発揮するまでわずか数十秒!

 まさに即断即決。とにかく頭がいい。思い切りもいい。細かいことはぐちゃぐちゃ言わない。「お前たち黙ってついてきな! 意見はいらないよっ!」という親分気質。

 思考停止の温室育ちリーダーとは大違いだ。

ナウシカのリーダーシップ

 一方、同じジブリでも、ナウシカのリーダーシップは、ドーラのそれとは明らかに異なる。ナウシカは周りをうまく巻き込むスタイルだ。

 みんながナウシカを支援しようと思う。助けたいと思っている。ナウシカもその瞬間に誰を頼るべきなのか、ハッキリ分かっている。

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 ドーラが目標に向かってメンバーを強力にけん引していく「トップダウン型リーダー」だとすると、ナウシカはどうすればいいのよく分からないまま、周囲を巻き込んで問題を解決していく「ファシリテーション型リーダー」なのではないかと思う。

 象徴的なのは、ナウシカが行動を共にする人種の多様さだ。風の谷の仲間だけでなく、トルメキア、土鬼と、実に多様な民族を見事に巻き込み、共同戦線を張っている。これをファシリテーターといわずしてなんというか。

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