ゲーム業界の情シス、ここがツラいよ――悩みを抱えた20人がCygamesに大集合俺達の情シス ゲーム業界分科会レポート(1/4 ページ)

ITmedia エンタープライズ編集部主催の情シス交流会「俺たちの情シス」にゲーム業界を対象とした分科会が誕生。東京・渋谷のCygamesの本社でイベントを行いました。みんなで悩みを話してみると、意外と多くの企業が同じテーマで悩んでいた……!

» 2018年03月26日 08時00分 公開
[タンクフルITmedia]

 クリエイターが主役の特殊な業界ゆえに、一般的な企業の事例があまり参考にならない――。そんなニーズに応え「俺たちの情シス」のゲーム業界分科会が誕生しました。2月27日、東京・渋谷のCygamesの本社で分科会の第1回を開催し、ライトニングトークやアンケートで「ゲーム業界情シスあるある」を大募集。ゲーム業界の皆さんはどんな悩みを抱えているのでしょうか……?

photo 俺たちの情シス ゲーム業界分科会、記念すべき第1回は東京・渋谷にあるCygamesで行われました

「現場最速」を追い求めるCygamesの情シス

photo Cygamesの情シス、システム管理部には「現場最速」という心得(スローガン)があります

 ライトニングトークを行ったのは、モバイル系と家庭用の両方を手掛けるゲーム会社、Cygamesで業務部の部長を務める星野健一さん。ゲーム業界分科会の発案者であり、過去には日本マイクロソフトで衝撃的(!)なプレゼンを披露したこともありました

 俺達の情シスに何度か参加し、情シス部門の情報交換の場は貴重だと感じながらも、やはり「ゲーム業界と他の業界では、情シス部門のミッションに差がある」と感じた星野さん。ゲーム業界ならではの悩みを個別に語りたいと感じたそうです。

 まず、星野さんは会社の業務体制について紹介。星野さんが統括する「業務部」には、「システム管理」「社内インフラ」「社内アプリ」「総務」の4部署があり、ITからオフィススペースまで全てを含む業務環境の設計、構築、運用を行うのがミッションとのこと。

  • システム管理……情シスの総合窓口。スタッフのPC環境の構築やヘルプデスク業務など
  • 社内インフラ……スタッフ業務におけるネットワークサーバの構築運用
  • 社内アプリ……労務・人事系のスタッフが使うサービス/アプリの調達や内製
  • 総務……オフィスフロアの構築運用など

 情シスを受け持つシステム管理チームには「現場最速」というスローガンがあります。これは、常に現場が最速で動けるように、業務環境を整備するという意味で、そのために「社員を待たせない」「やらなくていいことをやらせない」「知らなくていいことを覚えさせない」という3つのことを目標としているそうです。

社内に「メイド喫茶」があるのも、ゲーム業界ならでは!?

 これまでは主に「ITに明るくない人」に対するケアを進めていたという星野さんは、今は次のステップを考えているそう。それはITに明るい人たち、特にエンジニアへの対応です。自分が使いやすい環境を構築したいのに、実現できない彼らの不満をどう解消すべきか――。

 そこで2017年後半から、やりたい人には新たな環境をどんどん試してもらい、導入した人たち同士は社内SNSで情報共有してもらい、アウトプットを会社全体にフィードバックできるという、新たな環境の構築を始めています。Windows 10移行などで実践しているそうです。

 星野さんは、最後にオフィス環境の構築における事例をいくつか紹介。ディスプレイに光が入らないよう、イラストレーターやデザイナーの席はフットパネルを設置し、下からの間接照明にしているそうです。特に驚いたのは、社内のカフェスペースが「メイド喫茶」であること。司会の池田からは「部長である星野さんの命令では……」と疑われましたが、どうやらメンバーの総意で決まった模様。べ、別にうらやましくなんかないんだからね!

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