情シスが働き方を変えていく! LT大会でヒントやアイデア続々の「俺情2017年大忘年会」俺たちの情シス 第10回 レポート(1/4 ページ)

ITmedia エンタープライズ編集部主催の“情シスによる情シスのための交流会”「俺たちの情シス」の第10回は、7人が登壇してライトニングトークを繰り広げ、「情シスとしての成長」を語りあいました。

» 2017年12月31日 07時00分 公開
[タンクフルITmedia]

 2017年12月7日、ITmedia エンタープライズ編集部が、リアル情シス交流会「第10回 俺たちの情シス」を開催しました。「2017年、俺たちは情シスとして成長できたのか」というテーマのもと7人の情シスが登壇し、この1年の悲喜こもごもをライトニングトークで披露しました。

密なコミュニケーションが情シスの仕事をラクにする?

 最初に登壇したのは、人材派遣サービス業の情シス、Fさん。これまで情シスとして取り組んできたことを振り返り、「情シスの仕事はやることが多く、求められる知識が幅広いと常日頃感じている」と話します。そんなFさんが仕事をする上で大事にしているのが「コミュニケーション」です。

ALTALT 情シスの仕事は多岐にわたる

 Fさんは、社内で何か不具合があると直接現場に出向き、対面で話しながら、不具合を再現してもらうようにしています。現場に出向くと、いろいろなことが分かるそうです。

 例えば「ログインができない」という連絡を受けて行ってみると、カバンがキーを押しているだけだったり、「Excelを開くのに時間がかかる」と聞いて見に行くと、シートが40枚以上もあり、さらに不要なオブジェクトが1000個も貼り付けられていることが分かったりと、相談者本人が気付かずにやっていることが原因であることも多いといいます。

 そんな時、Fさんは、「こうすると便利ですよ」「次からは○○○してくださいね」と、根気強く声掛けをするようにしています。普段から丁寧にコミュニケーションをとることで、困ったときに声をかけやすい雰囲気になり、本格的なトラブルになる前に問い合わせをしてくれるようになるそう。実際、データ復旧の件数が減るなどの効果が出ているそうです。

 現場に足を運ぶのは、その部門の雰囲気を把握し、シャドーITの有無、余計なモノをPCにつないでいないかなどをチェックすることもできて一石二鳥だとか。

 また、Fさんは、ベンダーと協力して、ファイルサーバのクラウド化に取り組んだことも紹介しました。ベンダー管理のサーバと同等のレンタル契約を実現したもので、Fさんの会社としても、ベンダーとしても、初の試みだったとのこと。運用にはベンダーとの協力関係が必須で、ここでもコミュニケーションの重要性を再認識したそうです。

 「かつては、情シスの仕事は技術や新システムの提案が重要と思っていましたが、社内への声掛けやサーバの移行作業などを通じて、より重要なのはコミュニケーション能力と思うようになりました」とFさん。

 「これからもコミュニケーションを大事にして、ユーザーの要望を引き出し、ベンダーとの関係を維持しながら、より良い環境を提供していきたいですね」(Fさん)

オフィス移転時、情シスの心得3カ条とは

 次に登壇したのは、情報通信企業で情シスをしているOさん。同社は「フリー、フラット、オープン」という社風を武器に、さまざまな企業とコラボレーションし、事業を展開しています。

 2017年の大きなトピックスは、3月に本社が永田町に移転したこと。移転準備は2016年の12月ごろに始まっていたそうですが、Oさんが移転関連業務にアサインされたのは2017年1月。移転を間近に控えていたため、かなりバタバタ感があったといいます。

 Oさんは移転に際して、設備設計やセキュリティ、クラウド、テレワーク環境の整備などの作業に携わり、これらを通じて、「情シスが移転の際に気をつけたい3つのポイント」を得たようです。

 1つ目は、「炎上してからのアサイン」を回避すること。移転が間近に迫って現場が炎上してからアサインされると大変なので、常に状況をウォッチして、自分から掛け合ってでも早めにアサインしてもらい、「早めにキャッチアップした方が仕事がやりやすい」というアドバイスでした。

 2つ目は、「合意形成が難しい」ということ。移転では、いろいろな部署のケアが必要ですが、人数が多いとそれが難しくなります。この課題に対して、Oさんは経営層を上手に使う(トップダウンの告知をしてもらうなど)、同意してくれる“ファン”を募るといったワザで乗り切ったとのことです。

 そして3つ目は「相利共生」。移転は会社にいろいろな影響を与えることから、各部門が「お互いの利益やメリットを考えて対応することを忘れずに」というものでした。

ALTALTALT オフィス移転で情シスが心得たい3つのポイント

 移転作業を終えた後は、働き方改革の一環として「情シス女子会」に関わりました(ちなみに、Oさんは男性)。3月と8月の2回開催された情シス女子会に参加したことで、「情シスは女性にぴったり」という考えに至ったそうです。

 女性は、出産や育児などで、仕事においてライフイベントに影響されやすい面がありますが、産休や育休などから復職する際、同じ職場に戻れるとは限りません。情シス女子会で交わされた意見によると、そんなときに「社内に幅広いコネクション」がある情シスは、スムーズな職場復帰が可能になるそうです。

 また、情シスの仕事は、開発、管理業務から営業関連業務まで、いろいろな人と話す機会があり、それがキャリアの幅を広げるきっかけになるという意見や、期間が短いタスクが多い点が“時間にシビアな”ママワーカーにもぴったりといった意見もあったとのこと。さらに、業務の相手が社内メンバーのため、スケジュールが調整しやすく、「むちゃぶりは突っぱねやすい」点もあるなど、女性の視点からみた情シスの働き方について理解を深めることができたようです。

ALTALT 「外部システムへのオペレーション」を「外部システムへのオートメーションオペレーション」にするシステムを構築した

 さらに、同社内の情シス部門「TSA(Technical Service Advance)」の進化についても説明。TSAは、これからの情シスの仕事を「Create、Build、Make」というコンセプトの下、システムだけでなく、ICT、サービス、経営に関わるものとして定義しています。

 その一例として、「Python」「G Suite」「Slack」などを活用し、以前は人力で行っていた作業をシステムで自動化する仕組みを構築した事例を紹介しました。

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