仕事は上司の期待値の1〜2%上をいく、ポイントを押さえてそつなく、効率よくこなせばOK――そんなふうに考えていた新入社員時代のある日、先輩からくらった強烈な一言をきっかけに、著者の身に起こったこととは?
この記事は榊巻亮氏のブログ「榊巻亮の『ブレイクスルー備忘録』」より転載、編集しています。
友人と「仕事に全力投球するかどうか」で議論になった。
「最近、仕事に情熱を持てない」「上司の好き嫌いによって評価が決まるんだから、ほどよく手を抜いて、そつなくこなすのが正解なんじゃないかと思う」「仕事以外で人生のバランスを取らないとな」――。彼はそんな風にボヤいていた。
うーむ、確かに。そんなふうに割り切りたくなる気持ちは分かる。上司が理解を示してくれなかったり、仕事がつまらなかったりしたら、情熱を傾けるモチベーションはなくなる。
そのとき、ふと、新入社員時代の出来事を思い出した。あるハウスメーカーにいた頃の話だ。当時の僕は、
という考え方をしてた。なぜなら「仕事なんてつまらないものだ」と思っていたからだ。より多くの仕事をする意味や、より品質の高い仕事をする意味を全く見いだせなかった。ほどほどでいいじゃないかと思っていたわけだ。
そして、ほどほどのパワーで仕事をしておけば、十分に評価された(だいぶ不遜な言い方だが、実際評価されていたと思う……)。
今、思うと、かなり嫌な新入社員だ。
そんな頃、飲みの席である先輩(関西のオラオラ系の先輩)から強烈な一撃を食らった。
「お前……。全く、全力出してへんやろ?」
「え? 何ですか突然。そんなことないですよ」
「俺には、仕事をナメているように見えるね。“自分、仕事できますから”とか思ってんちゃうんかい?」
「そんなことないですよ。買いかぶり過ぎです。僕の実力はこんなもんですよ」
「ふん。その言い方がもうアカンな」
「何なんですか。しっかり仕事してるんだから、いいじゃないですか」
「つまらんヤツやな。何をビビってんねや? 一度くらい全開で、必死で仕事してみろや」
言われた瞬間、「は? 何言ってんだコイツ」と思った。
「もっとできるヤツかと思っとったが、大したことないな。がっかりさせんな」
二の矢が飛んできて、この後、けっこうな口論になった。
でも、この言葉が僕の人生を変えた。その先輩に、今ではとても感謝している。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.