私の働き方と人生を一変させた、ある先輩の痛烈な一言榊巻亮の『ブレイクスルー備忘録』(1/3 ページ)

仕事は上司の期待値の1〜2%上をいく、ポイントを押さえてそつなく、効率よくこなせばOK――そんなふうに考えていた新入社員時代のある日、先輩からくらった強烈な一言をきっかけに、著者の身に起こったこととは?

» 2018年06月29日 07時00分 公開
[榊巻亮ITmedia]

この記事は榊巻亮氏のブログ「榊巻亮の『ブレイクスルー備忘録』」より転載、編集しています。


 友人と「仕事に全力投球するかどうか」で議論になった。

 「最近、仕事に情熱を持てない」「上司の好き嫌いによって評価が決まるんだから、ほどよく手を抜いて、そつなくこなすのが正解なんじゃないかと思う」「仕事以外で人生のバランスを取らないとな」――。彼はそんな風にボヤいていた。

 うーむ、確かに。そんなふうに割り切りたくなる気持ちは分かる。上司が理解を示してくれなかったり、仕事がつまらなかったりしたら、情熱を傾けるモチベーションはなくなる。

「お前、全力出してるのか?」

 そのとき、ふと、新入社員時代の出来事を思い出した。あるハウスメーカーにいた頃の話だ。当時の僕は、

  • 効率よく仕事して、さっさと帰ろう。
  • プラスアルファの仕事は、基本やらない。頼まれたらさっくりやるけどね。
  • 上司が気持ちよくなるように、ポイント押さえて要領よく。
  • 上司の期待値の1〜2%だけ上をいく。
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という考え方をしてた。なぜなら「仕事なんてつまらないものだ」と思っていたからだ。より多くの仕事をする意味や、より品質の高い仕事をする意味を全く見いだせなかった。ほどほどでいいじゃないかと思っていたわけだ。

 そして、ほどほどのパワーで仕事をしておけば、十分に評価された(だいぶ不遜な言い方だが、実際評価されていたと思う……)。

 今、思うと、かなり嫌な新入社員だ。

 そんな頃、飲みの席である先輩(関西のオラオラ系の先輩)から強烈な一撃を食らった。

「お前……。全く、全力出してへんやろ?」

「え? 何ですか突然。そんなことないですよ」

「俺には、仕事をナメているように見えるね。“自分、仕事できますから”とか思ってんちゃうんかい?」

「そんなことないですよ。買いかぶり過ぎです。僕の実力はこんなもんですよ」

「ふん。その言い方がもうアカンな」

「何なんですか。しっかり仕事してるんだから、いいじゃないですか」

「つまらんヤツやな。何をビビってんねや? 一度くらい全開で、必死で仕事してみろや」


 言われた瞬間、「は? 何言ってんだコイツ」と思った。

「もっとできるヤツかと思っとったが、大したことないな。がっかりさせんな」


 二の矢が飛んできて、この後、けっこうな口論になった。

 でも、この言葉が僕の人生を変えた。その先輩に、今ではとても感謝している。

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