DMM.comグループの1社として、主にシステム企画や開発・運用を手掛けているDMM.comラボ。同社情報システム部では、スクラム開発などの新たな方法論を採用しながらさまざまなシステムの内製に取り組み、これまでの「請負型」情シスからの脱皮を図っている。
守りの情シスから攻めの情シスへ――。クラウドの進展で情シスには新たな役割が求められているが、実際に考え方や行動を変えるのは至難の業。多くの企業が悩みながら手探りで進めているのが現状だ。
そんな中、スクラム開発の導入をきっかけに情シスのマインドチェンジを成功させたのが、総合エンターテインメントサービスを提供するDMM.comグループのシステム企画や運用を担っているDMM.comラボだ。
これまで受け身だったメンバーの目の色が変わり、案件を自分ごととして捉えられるようになったのはなぜなのか――。スクラムの導入を決めた情報システム部の部長、岩崎磨氏とスクラムを組んだ5人のメンバーに聞いた。
DMM.comラボは、東京と石川の2拠点を軸に、約1500人のエンジニアやデザイナーがDMM.comグループのサービス群を支えている。
2017年1月にpixivの創業者である片桐孝憲氏が代表取締役社長に就任した頃から、IT企業としてのモノ作りにフォーカスしようという「プロダクトファースト」の考え方が社内に浸透し始め、それに伴って、DMM.comラボのIT基盤を支える情報システム部門の在り方も変わり始めたという。
2017年6月には情報システム部門の組織が改編され、あちこちに分散していたスタッフが集約された。それを機に、「失敗してもいいからやってみよう」「自らの手で新しいものを作っていこう」という考え方にシフトしたと岩崎氏は振り返る。
その背景には、「変化のスピードが速いWebサービス業界では、自分たちも変化し、進化し続けないと生き残っていけない」という危機感があった。
「ITの世界では、“現状をそのまま維持しているだけ”というのは死を意味します。成功しても失敗してもいいからやってみようという『変化』が大事だと考えています」(岩崎氏)
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