「法務代行AI」に「学生証アプリ」――新人記者が驚いた、2018年のイノベーション5選編集部が選ぶ、2018年の注目記事5選【高木編】(2/2 ページ)

» 2019年01月09日 08時00分 公開
[高木理紗ITmedia]
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ブロックチェーンで“最新”の物件情報を見られる?

 続いては、ブロックチェーンを複数の企業間で不動産情報の管理に活用するプロジェクトを取り上げた記事です。

 不動産ポータルサイトを運営するLIFULL HOME'Sをはじめ、Google Mapsに地図情報を提供するゼンリン、デジタル決済事業を行うネットプロテクションズ、NTTデータ先端技術などが加わった同プロジェクト。その内容は、各不動産物件の「住所」「建物名」「築年数」「賃料」「修復履歴」といった情報を、ブロックチェーンを使ってリアルタイムで正確に共有しようとするものです。現在は「ADRE(Aggregate Data Ledger for Real Estate)」という不動産情報コンソーシアムとして発足しています。

全国の不動産情報をブロックチェーンで共有へ――前代未聞のプロジェクトが動き出した理由

 日本の不動産業界に変革を起こそうとしている6社がある。これまで各企業が蓄積してきた「物件の間取り」「入居状態」「築年数」といった情報をブロックチェーンで共有し、リアルタイムで正確に更新しようというのだ。参加企業は、一体なぜこんな挑戦に打って出たのか?


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 例えばどこかに引っ越したいとき、まずオンラインで物件の情報を収集するのは当たり前になりました。だからこそ、同プロジェクトは「オンラインで消費者の目に触れる物件情報の正確性を担保したい」として始まったといいます。具体的な技術の活用法や運営体系は手探り状態ですが、参加企業は増えており、今後の動向が注目されます。

今の小学生は「図工」のようにプログラミングに取り組む? 先生と子どもたちに聞いてみた

 さて、日本全国の小学校や中学校、高校では、2020〜2023年に、プログラミング教育が次々と必修になります。デジタル技術がさらに普及していく将来に必要なスキルを教える、というコンセプトがその土台にあるようですが、「言うは易く行うは難し」。教育現場では、実際に先生がどう子どもたちにプログラミングを教えるか、数年前から試行錯誤が続いています。

小学校のプログラミング授業に潜入 自在にコードを操る子どもたちに驚いた

 次世代を担うIT人材の育成強化が進む中、2020年には「プログラミング的思考」の授業が小学校で必修化する。一足先に授業に取り入れた学校では、どんな様子で授業が進んでいるのか。ある小学校の授業にお邪魔した。


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 この取材では、日本マイクロソフトによる支援で開催された授業と、その小学校で普段から行われている別の授業の2つにお邪魔しました。記事には「初めて教えるので、どんな反応が返ってくるか分からなかった」と語った社員による授業の様子や、さまざまな学年に向けてプログラミングの授業を作る先生、その授業でコードを駆使する子どもたち、三者それぞれの視点を入れ込みました。

 2020年には、小学校でプログラミング教育が始まります。この記事は、その姿がどうなるのかを考える、興味深いヒントになるかもしれません。

AIが生んだ“バブル崩壊チョコ”を召し上がれ――現場の職人が語った「AIとの共創」が生む可能性とは

 最後に紹介するのは、AIと職人がタッグを組んだチョコレート作りの話題です。「1969 人類初の月面着陸味」「1974 オイルショックの混迷味」「1987 魅惑のバブル絶頂味」「1991 絶望のバブル崩壊味」「2017 イノベーションの夜明け味」……皆さん、こう聞いてどんな味を想像しますか?

NEC製AIが開発、“バブル崩壊味”のチョコレートを実際に食べてみた

 「人類初の月面着陸」「オイルショックの混迷」「魅惑のバブル絶頂」「絶望のバブル崩壊」――NECが昭和や平成のさまざまな思い出を、AIを使ってチョコレートにした……とのことだが、何だか意味が分からない。試食できる機会があったので、実際に食べてみた。


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 ともすれば“人の仕事を奪う”と思われがちなAIを、“人の創造性を引き出す”ために使えないか。そんなコンセプトから、NECが本格チョコレート専門店「ダンデライオン・チョコレート」とコラボしたプロジェクトが、「あの頃はCHOCOLATE」。それぞれの年の新聞記事をAIが分析し、その結果決まった各チョコレートの「味」の特徴を、職人がカカオ豆を使って再現する――その過程では、さまざまな苦労と発見があったようです。

 実際に、現場ではどうやってAIの「分析」とチョコレート作りの「感性」をつなげたのでしょうか。そして、出来上がった肝心のチョコレートのお味やいかに……? 詳しくは、記事でご確認ください。


 2018年5月に編集部入りして以来、先輩たちの背中を追い掛けながら取材をこなしてきましたが、法律や教育、不動産、食品――普段の生活で接しているような身近なシーンでも、目覚ましい変化は次々と起こっているのだと痛感した1年でした。2019年も多様な事例をご紹介していきますので、どうぞよろしくお願いいたします。

 また、このシリーズでは、編集部の池田もAIやIoT分野に新しい可能性を吹き込む記事を5つご紹介しています。併せてご覧ください!

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