1つは、ゲームおよび音楽コンテンツの売上が急成長していることだ。「着うたは、1年間で1.7倍に成長した。コンテンツ売上の25%を占める」と高橋氏。ゲームも1年間で1.6倍に成長し、コンテンツ全体の15%を占めるに至った。
コンテンツ | 対応端末数 | ダウンロード数 |
---|---|---|
着うた | 1580万台(2005年3月) | 2億(2005年4月) |
着うたフル | 200万台(2005年5月) | 725万(2005年5月) |
「4年前、(ネットワークが)1Xしかなくて着うたフルの導入を断念した。EV-DO(WIN)によって、導入が可能になった」(高橋氏)
2つ目は、BREW市場が急速に成長していることだ。当初アプリケーションプラットフォームとしてJavaを採用していたKDDIは、途中からBREWに全面的に切り替え再スタートを切っている。
2003年2月のBREW第1号機を投入して以来(2003年1月29日の記事参照)、約2年間で31機種、稼動台数で1000万台以上がBREW対応端末となった(5月11日の記事参照)。アプリケーション数は2005年3月時点で1000を超え(4月27日の記事参照)、うち81%はゲームとなっている。
ゲームなど、コンシューマアプリケーションをダウンロードする環境として始まったBREWだが、昨年のバージョン3.1からはメーラーやブラウザなども動作する“プラットフォーム”としての位置づけが強化されている。
KDDIは“KDDI Common Platform”とBREWを位置づけ、「端末メーカーが簡単にEメール、ブラウザ、UIなどのアプリケーションを構築できる」(高橋氏)環境を整え始めている。
この夏KDDIが発売するWIN端末「W32SA」「W31T」は、既に「KDDI Common Platform(KCP)」を採用。メーラーおよびEZwebのブラウザなどがBREWアプリケーションとして搭載されている(5月25日の記事参照)。2006年度からは、全機種がKCPを採用する予定だ。
ゲームと音楽を、BREWおよびEV-DOプラットフォーム上で展開し、成功を収めてきたKDDI。次のステージはメディア連携だ。
高橋氏は「テレビやEZチャンネルといった“トリガー”による、“アクション”──通信が重要。例えばテレビがトリガーになって、通信でコンテンツをダウンロードしたり、物を買ったりするのがアクションだ」と、メディア連携の構想を説明した。
既にKDDIはFMラジオ機能を端末に搭載したことで、FM放送局との連携を始めている。現在放送中の楽曲名を、通信を使ってリアルタイムで取得。ラジオ局のWebページにリンクしたり、流れている楽曲の着うたや着うたフルをダウンロードしたりできる仕組みを整えた。
同様のモデルを、アナログテレビや今年度末にも始まる地上デジタル放送(1セグ放送)にも応用していく(5月23日の記事参照)。こうした他メディアとの連携は、単に技術的な仕組みだけでなく、ビジネスとしての連携が重要となる。他社に先駆けて始めた着うたでも、KDDIは音楽業界と良好な関係を築いてきた。メディア関連業界との連携では、KDDIが一歩先を行っているのは間違いない。
「KDDIはメディアコラボレーションを進める。次のステージではこれが重要だ」(高橋氏)
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