メディア化で目指すのは“生活行動のスパイラル”〜KDDI、高橋氏:WIRELESS JAPAN 2004

» 2004年07月23日 23時35分 公開
[後藤祥子,ITmedia]

 「WIN+BREW」端末の投入、2段階の定額制「ダブル定額」、Flashを使ったポータルの強化──。この夏KDDIは、“携帯電話のメディア化”を狙う数々の施策を打ち出す(7月12日の記事参照)。ワイヤレスジャパン 2004の講演でKDDIの高橋誠コンテンツメディア本部長が、次なる一手で目指す「携帯のメディア化」について話した。

 「ここ数年間の課題は、携帯電話を新しいメディアとして育てること」とする高橋氏は、2つの方向性でメディア化へのアプローチを図ると説明。1つはKDDIがプラットフォームを整備することで、メディアの価値を高める「自立型メディア」の推進。Flashによるポータルの拡張(7月16日の記事参照)やEZチャンネルがこれにあたる。

 もう1つはFMケータイから始まった「コラボレーション型メディア」。KDDIが進める地上デジタル放送と携帯の連携はここに含まれる。

 KDDIの高橋誠コンテンツメディア本部長

メディア携帯を起点に、次の行動につなげる「生活行動のスパイラル」

 高橋氏は、自立型メディアへのアプローチがどんなものなのかを、実際のサービスを例に挙げて説明した。

 Flashを使ったポータルは、ユーザーが読み込むたびに広告部分の表示内容が変わる仕組みになっている(7月16日の記事参照)。定額制の導入でEZwebのトップメニューへのアクセスが増えたこともあり、ここの媒体価値を高めることが生み出す効果を期待する。「コンテンツプロバイダとの相乗効果が上げられるようなポータルにしていこうと力を入れてやっていく」(高橋氏)。

 EZチャンネルはセカンドフェーズに入り、まずは9番組あった無料のチャンネルを「ポケット(C)ネル」という1つの番組にまとめた(6月24日の記事参照)。現状では、登録できるコンテンツが3番組に限られているため、有料コンテンツ用に2チャンネル分を解放するのが目的だ。

 次に目指すのは、「EZチャンネルに生活行動のスパイラルを起こさせる」仕組み作り。「次のステップは、番組は夜中に配信しても、配信通知はコンテンツプロバイダの自由にする。昼休みに通知してもいいし、テレビが始まる5分前でもいい。そういう生活パターンをEZチャンネルで作れたら、面白いスパイラルができる。これが実は放送と通信の連携につながる第一歩」(高橋氏)。

 定額加入ユーザーの半数が登録しているという「ポケット(C)ネル」は、日曜日に着うたランキングを配信している。これも生活スパイラルにつながっていると高橋氏。「登録ユーザーの2割がこの番組をきっかけに着うたを買っている。これも生活スパイラルの1つ」(高橋氏)。

 eコマースについても、「携帯電話を24時間手元にあるメディアとして育成していけば、物販の領域まで出ていけるのではないか」と期待を寄せる。

ラジオの内蔵だけが「コラボ型メディア」の方法ではない

 FM局との連携が成功した例をさらに押し進めようというのが「コラボレーション型メディア」のアプローチ。FMラジオチューナーを内蔵した端末も3機種に増え、これからも活用していく姿勢に変わりはない。

 ただクロスメディアを考えるときに、必ずしもテレビやラジオが端末に入っている必要はないとも話す。「(端末にラジオが入っていなくても)ラジオを車で聞きながら、次の行動を携帯をきっかけに起こしてくれればいい」。アプリ単体でもコラボレーションは可能だという見方だ。「地上デジタルの世界では、ナノメディアやインデックスがテレビとの連動アプリを開発している。こういうものが、生活習慣のスパイラルのための大事な素材になる」。

生活スパイラルを作るための定額制

 2本柱で携帯のメディア化を進めるに当たって、必要不可欠だったのが敷居の低い定額制だ。「もっとユーザーを定額料金に近づけなくてはならない。ティーアップしてもらうために芝を広げたのがダブル定額」とゴルフに例えて説明した。

 入口を安価な2100円に設定して、とにかく加入してもらい、コンテンツを試しやすい環境を整備する。そこに面白いコンテンツがあれば定額の安心感から、さらに使ってもらえる。“これなら4200円払ってもいい”とユーザーに感じてもらう──。こうした流れをまずは定着させ、それと同時に、大容量アプリやFlashのポータル、書籍ダウンロードなどのリッチなコンテンツを用意。料金とコンテンツの両面からのアプローチでWINユーザーを取り込みたい考えだ。

 またコラボ型メディアを推進するためにも加入しやすい定額制は必要不可欠だと高橋氏。「新聞や放送、雑誌との連携を進めていく。ほかのメディアとコラボするためにも定額制は必要」。

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

アクセストップ10

2026年11月06日 更新
  1. 【復旧】ドコモ通信障害の対象範囲を特定――「5G SA」契約が対象、4G設定への切り替えで回避も (2026年11月05日)
  2. 情報漏えいの「おわびメール」が毎日届いてうんざり……漏れた情報別に“最低限やること”をまとめた (2026年11月04日)
  3. GMOインターネットの情報漏えい事案で総務省が業界団体に「ブロッキング要請」との報道 NTTは動いた? (2026年11月05日)
  4. ドコモだけ鳴らなかった「緊急地震速報」、前田社長がエリアメール不具合を謝罪 (2026年11月04日)
  5. 「有料放送や配信コンテンツが永久に無料!」──怪しい動画ストリーミング機器に総務省が注意喚起 サイバー攻撃の踏み台に悪用されるおそれ (2026年03月10日)
  6. ダイソーで1100円の「PD対応20Wモバイルバッテリー」を試す 手頃な価格でそこそこ高速にスマホを充電可能 (2026年10月31日)
  7. 12月から変わるahamoの新料金を検証 165円値上げでも“実質値下げ”になる人は? 他社とも比較 (2026年11月04日)
  8. WAON POINTやAEON Payのキャンペーンまとめ【11月5日最新版】 ブラックフライデーで11倍還元、5日に20%還元も (2026年11月05日)
  9. ドコモオンラインショップとMy docomoで緊急メンテナンス 不正アクセスの可能性 (2026年11月05日)
  10. JR東日本「分かりにくい」新幹線券売機を改善へ なぜ、スマホではなく「駅での最短1分購入」を実現? (2026年07月04日)
最新トピックスPR

過去記事カレンダー