中古スマホが突然使えなくなる事象を解消できる? 総務省が「ネットワーク利用制限」を原則禁止する方向で調整

» 2024年04月25日 18時30分 公開
[井上翔ITmedia]

 総務省は4月24日、「競争ルールの検証に関するワーキンググループ(WG)」の第55回会合を開催し、携帯電話事情の競争政策に関する論点整理を行った。その中で、大手キャリアを通して販売された端末に対する「ネットワーク利用制限」について一部の例外を除いて廃止(禁止)する方向性が盛り込まれた。

ネットワーク利用制限 ネットワーク利用制限に関する論点が盛り込まれた(総務省資料より:以下同)

そもそも「ネットワーク利用制限」とは?

 その名の通り、ネットワーク利用制限は携帯電話端末のネットワークへの接続を“拒否”する制限だ。大手キャリアでは、本制限を端末の詐取(分割払いの不履行を含む)や盗難への対策として実施している。制限の対象となっているかどうかは、各キャリアの特設Webサイトで「IMEI」という番号を入力することで確認できる。

「IMEI」とは?

 IMEI(International Mobile Equipment Identity)は、個々の携帯電話端末に割り当てられた固有の識別番号で、現行の携帯電話はSIMカードのID(と電話番号)とIMEIをネットワークに登録することで初めて通信できるようになる。ネットワーク利用制限では、この仕組みを活用してネガティブリストに載っているIMEIを持つ端末の接続を拒否している。

 なお、端末のIMEIは本体のパッケージ(外箱)、またはダイヤラーから「*#06#」と入力することで確認できる。なお、デュアルSIM端末の場合、1台の端末にIMEIが2つ割り振られる。


NTTドコモ NTTドコモの「ネットワーク利用制限携帯電話機の確認」サイト。ここで「×」判定が出ると、ネットワーク利用制限が掛かっていることになる

 このネットワーク利用制限については、ネットワーク利用制限が販売したキャリア以外で機能しないという課題がある。「海外を含む他キャリアで使うことができてしまうので、詐取や盗難対策として不十分」との指摘に加え、「中古端末の購入者が制限対象となり、突然通信できなくなる」という問題も抱えている。

 また分割払いの不履行(踏み倒し)という観点では、キャリアが提供する分割払いは端末の所有権を契約者(購入者)に移転している(※1)。この端末を中古買い取り業者に売却すると、所有権は当該業者に移転する。そして売却された端末が販売されると、所有権は購入者に移転する。もともとの所有者の不履行によって、現在の所有者が不利益を被ることの是非も、課題とされている。

(※1)楽天モバイルについては、自社による分割払いを提供していない(端末代金を支払うクレジットカードの分割払いで対応している)

指摘 ネットワーク利用制限については、WGの構成員からも多数意見が出ている。主に「中古端末を購入した人の権利」に着目した指摘が多かった(総務省資料より)

総務省は「ネットワーク利用制限」をどうしようとしている?

 WGでの議論を踏まえて、総務省はネットワーク利用制限について許容するケースを極力限定する方向を示した上で、以下の論点案を提示した。

  • 利用者の利益を確保すべく、ネットワーク利用制限は原則禁止とする
  • ネットワーク利用制限は、以下のケースに限り認める
    • 盗難された端末
    • 不正契約により入手された端末
    • 補償サービスで補償対象となった旧端末
  • 分割払いで買った端末についても、原則禁止は同様
    • ただし、購入後4カ月を超えない期間は債務不履行による利用制限を認める
  • ネットワーク利用制限を掛けた端末が他キャリアで使えてしまう対策が必要
    • 方法は「制限対象端末のIMEIをキャリア間で共有する仕組みの導入」を例示
    • 制限の有効性を高めるための議論をキャリアに促す
論点案 ネットワーク利用制限の論点案(その1、総務省資料より)
論点案 ネットワーク利用制限の論点案(その2、総務省資料より)
論点案 ネットワーク利用制限の論点案(その3、総務省資料より)

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