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» 2020年11月13日 19時51分 公開

中古市場で最も大きな課題は「ネットワーク利用制限」 RMJ粟津理事長が提言

中古端末事業者向けに制定した「リユースモバイル事業者認証制度」で、日本テレホン、携帯市場、ソフマップ、ブックオフコーポレーションが認証を受けた。リユースモバイル・ジャパンの粟津理事長は、現在の中古市場で最も大きな課題はネットワーク利用制限だと言う。総務省に対して改善を求めていく。

[田中聡,ITmedia]

 リユースモバイル・ジャパン(RMJ)が11月13日、中古端末事業者向けに制定した「リユースモバイル事業者認証制度」にて、日本テレホン、携帯市場、ソフマップ、ブックオフコーポレーションの4社が認証されたことを発表した。

リユースモバイル・ジャパン ソフマップ、日本テレホン、携帯市場、携帯市場、ブックオフがリユースモバイル事業者認証制度で認証を受けた

 同認証制度は、ユーザーが安心して中古端末を購入、売却できるよう制定したもの。中古端末事業者がリユースモバイルガイドラインを順守しているか、経営状況が健全か、適切なガバナンスが確立されているかを審査。審査は外部有識者の5人が行い、総務省がオブザーバーとして関与する。

 リユースモバイルガイドラインは、中古携帯の格付け基準や中古端末のデータ処理方法を規定したもの。2019年11月に改定した第2版では、バッテリー状態の確認や表示、ネットワーク利用制限に対する保証などを推奨し、中古端末の評価に11段階の基準を設けている。ガイドラインのバッテリーについては、別途「バッテリー認証」を設けており、リユースモバイル事業者認証制度の1つに位置付けられる。

リユースモバイル・ジャパン リユースモバイル事業者認証制度は、リユースモバイル事業者認証とバッテリー認証の2つで構成される

 認証制度は2019年11月に発足したが、審査委員長を務める新美育文氏によると、具体的な作業に入る段階で新型コロナウイルス拡大の影響を受け、なかなか実地検査には入れなかったという。そこで「審査員の方々とオンラインによる検査の有効性を検証しながら審査を進めてきた」と同氏。

 認証を受けた事業者には認証マークが送られ、店頭や広告などで使用することで、安心できる事業者であることを訴求できる。

リユースモバイル・ジャパン 認証マークが安全な中古端末事業者の目印になるよう、認証の取得を促進していく

 今回、認証された4社はRMJの会員企業。他に審査をしている企業は現時点ではないが、RMJ理事長の粟津浜一氏によると、「申請を考えている企業は数社ある」とのこと。会員には他にゲオやイオシスなども名を連ねており、認証企業が増えることが期待される。

今までのネットワーク利用制限は役目を終えた

 MM総研によると、中古スマートフォン市場は微増傾向にあり、新品スマートフォンの出荷台数を100とした場合の中古スマートフォンの比率は、2025年度には9.8%まで上昇する見通し。RMJに参画している中古端末事業者の売り上げは、2019年度第3四半期の約64億円から、第4四半期には約71億円にアップ。第3四半期の10月には電気通信事業法が改正されたが、その趣旨である「通信と端末の分離」義務化の影響もあったのかもしれない。

リユースモバイル・ジャパン 中古スマートフォンの販売台数は、2025年度に265万台に拡大すると予測されている
リユースモバイル・ジャパン RMJ参画企業の売り上げは増加傾向にあり、中古市場が活発であることをうかがわせる
リユースモバイル・ジャパン RMJの粟津浜一理事長

 粟津氏は、現在の中古市場で最も大きな課題はネットワーク利用制限だと言う。ネットワーク利用制限とは、端末を割賦で購入したユーザーが支払いを滞納すると、通話やデータ通信が利用できなくなる。転売や犯罪などを防止するための措置ではあるが、ネットワーク利用制限の掛かった端末が中古市場に出回ると、購入したユーザーが、いきなり通信できない事態に陥ってしまう。

 ネットワーク利用制限の掛かった端末を購入した場合、リユースモバイルガイドラインで保証することが推奨されているものの、ユーザーにとっては端末交換の手間が発生する。こうした事態を回避すべく、RMJは総務省に対して改善を求めていく。「今までのネットワーク利用制限が役目を終え、新たな仕組みを作る必要があると考えている」(粟津氏)

 また、端末の初期化では消去できないFeliCaのデータ消去をどう扱うか、(メルカリなど)C2C取引のプラットフォーマーに対して、ガイドラインや事業者認証制度の説明も行う必要性があることも課題に挙げている。

携帯料金を安くするだけではダメ

リユースモバイル・ジャパン 総務省 総務大臣政務官の古川康氏

 記者説明会では、総務省 総務大臣政務官の古川康氏も登壇。リユースモバイル事業者に4社が認証されたことに触れ、「大きな節目の日になる」と賛辞を送った。中古端末について地方で聞いてみたところ、「自分たちの知りたい情報がきちっと提示され、ネットを含めて地方に住んでいても手に入れる手段があれば」と多くの人が関心を示したという。「前の人が使っているバッテリーの状況がどうなっているのかを心配する声もあったが、リユースモバイルに対する期待感の表れ(だと捉えている)」

 総務省と言えば「携帯料金値下げ」の話が取り沙汰されているが、「安くすることが目的ではない」と同氏。「武田大臣からいただいた言葉は、『安くするだけではダメ。分かりやすく、納得感のあるものでないとならない』。これが総務省としての自分たちのスタンスである」とした。

 SIMロック解除をはじめとした規制緩和を進めていることにも触れつつ、中古市場については「安全で安心できる、健全な中古端末の流通市場を作っていただきたい」とエールを送った。

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