「iPhone 16e」と「iPhone 16」は意外と違いが多い 外観やスペックの差をチェック

» 2025年02月20日 21時26分 公開
[山本竜也ITmedia]

 Appleは日本時間の2月20日未明、「iPhone 16e」を発表しました。2月21日から予約を開始し、発売は2月28日。価格は9万9800円(税込み)から。

 特に言及はありませんでしたが、実質的にはiPhone SEの後継モデルと考えられます。なお、iPhone 16eの発表に合わせて「iPhone SE(第3世代)」は終売となりました。

 iPhone 16eという名称からも分かる通り、これまでのような廉価版iPhoneではなく、iPhone 16シリーズの1機種という扱いになっています。価格的にもiPhone 16シリーズの中では安価ですが、iPhone SE(第3世代)の6万2800円と比べると3万円以上の値上げ。ちなみに、米国でも599ドルからと429ドルから170ドルアップしており、為替の影響で値上がりしたわけではありません。この価格になると、もはや廉価モデルとは呼べないでしょう。

 そんなiPhone 16eは、無印iPhone 16と何が違うのか、何ができて何ができないのかをまとめてみます。

iPhone 16e 発表されたばかりのiPhone 16e

iPhone 16よりやや小さい本体 ダイナミックアイランドは搭載せず

 ディスプレイは、iPhone 16と同じサイズの6.1型Super Retina XDRディスプレイを搭載。ただし、同じディスプレイを使っているわけではなく、解像度は2352×1170ピクセルなので、iPhone 16の2556×1179ピクセルから若干落ちています。明るさも最大輝度800ニト(標準)、ピーク輝度1200ニト(HDR)と控えめです。また、Dynamic Island(ダイナミックアイランド)は非対応で、従来通りに上部に大きな切り欠き(ノッチ)を搭載しています。

 筐体サイズは iPhone 16よりわずかに小さい幅71.5×高さ146.7×高さ7.80mm。この筐体サイズやディスプレイの仕様に関してはiPhone 14とまったく同じとなっており、以前のうわさにあった通り、ベースはiPhone 14なのでしょう。

iPhone 16e 本体サイズやディスプレイの仕様はiPhone 14と同じだ

カメラは単眼、カメラコントロールは搭載せず

 見た目、そして仕様上の大きな違いとなるのが、背面カメラです。iPhone 16のデュアルカメラに対して、iPhone 16eはシングルカメラ。仕様的にはiPhone 14を引き継いだわけではなく、iPhone 16のメインカメラと同じ48MP Fusionを搭載します。ただし手ブレ補正はセンサーシフトではなく、通常の光学式となっています。1眼しかないので、iPhone 16で追加された空間写真や空間ビデオ撮影には非対応です。また、本体側面のカメラコントロールボタンも非搭載となっています。

iPhone 16e 背面カメラは48MPの1眼仕様

MagSafeに非対応 A18チップはGPUコアに違い

 もう1つ大きな違いは、MagSafeに非対応なこと。ワイヤレス充電もQi2ではなくQiにとどまっています。MagSafeやQi2はベースとなっているiPhone 14でも対応しているのであえて削除する必要はなかったのではと思いますが、iPhone 16との差別化や少しでも価格を抑えるためということなのでしょうか。

 プロセッサはiPhone 16と同じA18チップ搭載。ただ、GPUは4コアで、iPhone 16の5コアから少なくなっています。Neural Engineは16コアで変わらないので、Apple Intelligenceに大きな影響はないかもしれませんが、ゲーム性能ではiPhone 16に劣りそうです。

iPhone 16e SoCはA18チップに。iPhone 16と比べるとGPUコアが減っている

Appleが設計した初のセルラーモデムを搭載

 通信関連では、Appleが設計した初のセルラーモデム「Apple C1」を搭載しています。これまでiPhoneに搭載されたモデムの中で最も電力効率に優れているとしており、動画再生時間はiPhone 16の最大22時間よりも長い最大26時間となっています。

iPhone 16e Appleが設計した初のセルラーモデム「Apple C1」を搭載

 ただ、この独自モデムゆえなのか、LTEのバンド11(auとソフトバンクが使用)と21(ドコモが使用)に非対応。いずれも1.5GHz帯です。大きな影響はないと思いますが、利用地域によってはiPhone 16よりもつながりにくい、ネットが遅いと感じるかもしれません。この他、Wi-Fi 7には非対応で、Wi-Fi 6に対応、Ultra-Wideband非対応といった違いがあります。

価格はiPhone 16eの方が2万5000円安い

 価格の違いは以下の通り。同じストレージでは、iPhone 16eの方が2万5000円安くなっています。どの機能が必要かを見定めた上で選ぶといいでしょう。

  • 128GB iPhone 16e:9万9800円、iPhone 16:12万4800円
  • 256GB iPhone 16e:11万4800円、iPhone 16:13万9800円
  • 512GB iPhone 16e:14万4800円、iPhone 16:16万9800円

iPhone 16eとiPhone 16のスペック比較

iPhone 16eとiPhone 16のスペック比較

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

アクセストップ10

2025年12月05日 更新
  1. 飲食店でのスマホ注文に物議、LINEの連携必須に批判も 「客のリソースにただ乗りしないでほしい」 (2025年12月04日)
  2. 「楽天ポイント」と「楽天キャッシュ」は何が違う? 使い分けのポイントを解説 (2025年12月03日)
  3. NHK受信料の“督促強化”に不満や疑問の声 「訪問時のマナーは担当者に指導」と広報 (2025年12月05日)
  4. 「スマホ新法」施行前にKDDIが“重要案内” 「Webブラウザ」と「検索」選択の具体手順を公開 (2025年12月04日)
  5. 三つ折りスマホ「Galaxy Z TriFold」の実機を触ってみた 開けば10型タブレット、価格は約38万円 (2025年12月04日)
  6. 楽天ペイと楽天ポイントのキャンペーンまとめ【12月3日最新版】 1万〜3万ポイント還元のお得な施策あり (2025年12月03日)
  7. 楽天の2年間データ使い放題「バラマキ端末」を入手――楽天モバイル、年内1000万契約達成は確実か (2025年11月30日)
  8. サイゼリヤの“注文アプリ”が賛否を呼ぶ理由──「使いやすい」「紙メニュー前提」など多様な意見 (2025年11月23日)
  9. Z世代で“友人のInstagramアカウント乗っ取り”が流行? いたずらで済まない不正アクセス禁止法違反 保護者が注意すべきこと (2025年12月04日)
  10. 鉛筆デザインのiPad用スタイラスペン「Nelna Pencil」発売 物理ボタンに9機能を設定可能 (2025年12月03日)
最新トピックスPR

過去記事カレンダー