筆者は使わなくなった携帯電話を買い取り専門店で売却して新しい機種の購入資金に充てている。2018年末も不要な機種を売却した。サードウェーブエクスチェンジが運営し、スマートフォンやPCなどの店頭販売や通販、買い取りを専門とする「じゃんぱら」を利用した。
売却したのは、ドコモのスマートフォン「arrows Be」。この機種には「おサイフケータイ」機能が搭載されており、「モバイルSuica」や「nanaco」など複数のサービスを登録していた。
筆者はモバイルSuicaのユーザーなので、買い取り時に「おサイフケータイのデータを消してほしい」と言われた。実は、ケータイやスマートフォンなど一部の機種に搭載されているおサイフケータイの情報は、ユーザー自身で端末の初期化作業を行っても完全に消せないのをご存じだろうか。
「おサイフケータイ」アプリを起動し、メニューをタップして「サポート・規約」→「メモリ使用状況」の順に選択。メモリを使用している場合、おサイフケータイのデータがある状態となる。
じゃんぱらによると、おサイフケータイを初期化してもモバイルSuicaのデータは消えないことがあるそうだ。そのまま買い取ってしまうと、その中古スマホを購入した人が前に使っていた人のデータを復元してしまう恐れがあるという。
個人情報を保護するためにも、「機種変更」や「退会」の手続きを行ってからおサイフケータイを初期化することが重要なのだ。
おサイフケータイは、対応端末に搭載される「FeliCaチップ(ICカード)」を利用したサービス。冒頭でも述べたように、FeliCaチップをユーザー自身では初期化できない。初期化するには、各キャリアのショップに行く必要があるが、家電量販店など一部のショップでは手続きできない。
ドコモから発売された端末は、ドコモショップに設置されている専用機器「DOCOPY(ドコピー)」を使って初期化できる。
店頭で並ばなくてもユーザー自身で操作できるのが特徴。おサイフケータイ初期化の他に、アドレス帳のデータを旧機種から新機種へ移行したり、端末のデータをバックアップしたりできる。
いずれの手続きも、DOCOPYの画面に表示される手順に従えば問題なくできる。分からなければ、店舗スタッフに申し出れば教えてくれる。
KDDIやソフトバンクの場合、ドコモのように専用の機械がないので、店舗のスタッフに手続きしてもらう必要がある。
SIMロックフリー端末にも一部、おサイフケータイを搭載している機種がある。SIMロックフリー端末はキャリアショップでおサイフケータイのデータを初期化することはできない。
OPPOの「R15 Pro」やトリニティの「NuAns NEO [Reloaded]」の場合、各メーカーのサポートセンターに端末を送付することで、初期化してもらえるとの回答を得られた。例えばR15 Proの場合は3500円(税込)の費用がかかり、発送してから手元に戻るまでは1週間程度を見込む。
メーカーごとに問い合わせてみたところ、サポートセンターでの対応となる。別途、費用も期間もかかるとのこと。データの初期化で数千円程度もかかるのは痛い出費だ。この手間が嫌であれば、キャリア端末の購入をオススメする。
【更新:2019年1月16日16時50分 SIMロックフリー端末のデータ消去方法について追記しました。】
たくさんの個人情報が入っている携帯電話だが、使わなくなったら売却することでお金にできるのはメリットだ。一方でユーザー自身が個人情報をしっかりと管理して、売却前にデータの削除や移行など、さまざまな作業を行う必要があるのは面倒だ。
特におサイフケータイのデータを消去できるショップには、なかなか行く時間がない人も多いだろう。携帯電話の中古市場にニーズがあることを、より多くの業界関係者が把握し、携帯電話を売却しやすい環境や、データ移行・削除がしやすい環境を整える必要があるだろう。
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