アドレス帳はタブを利用するスタンダードなもので、十字キーの左右で隣接タブ、ダイヤルキーでダイレクトにタブを指定できる。「か」→「き」→「く」という移動もページスクロール操作で行える。表示方法は、名前のみの1行と名前+電話番号の2行表示が選べる。フォントサイズはメニューなどと連動して3段階に変更できる。フォントサイズ小の場合、1画面内に12件(1行表示)を表示可能だ。
アドレス帳は、右キーで本体メモリ、左キーでW-SIM内のアドレス帳を呼び出せる。そう、9(nine)ではW-SIMに登録したアドレス帳を直接呼び出せるのだ。
3G携帯用のSIMカード、たとえばNTTドコモのFOMAカードには、指名と電話番号、メールアドレスが1件ずつというミニマムな情報を、50件しか保存できない。一方、ウィルコムのW-SIMは本体と同じ項目を最大700件が登録できる。これは本機に付属のRX420ALが1Mバイト、従来型のRX410INでは600Kバイトと大容量のメモリを搭載しているからだ。
例えば、9(nine)とW-ZERO3シリーズでW-SIMを共用する場合を想定してみよう。
W-ZERO3シリーズでは残念ながら、W-SIMからアドレス帳を一度本体にコピーする必要がある。しかし、アドレスの追加や編集を行った場合のみW-SIMへコピーし、9(nine)では常にW-SIMのアドレス帳を利用するようにしておけば、あまり手間をかけずにアドレス帳を共有できる。
また、9(nine)のアドレス帳新規登録作業は、右キーの長押しで本体メモリ、左キー長押しでW-SIMとなっており、使い勝手に差異はない。ただし、「W-SIM更新」という操作が必要(アドレス帳の追加/編集を行うと操作するよう指示される)なところを見ると、常にW-SIM内のアドレスにアクセスするのではなく、本体メモリ内に見えない形でキャッシュする仕様のようだ。
メール利用時には、アドレス帳に連動してメールアドレスの代わりに登録名を表示する。W-SIMのアドレス帳のみを使用する場合も問題なく表示でき、W-SIMを抜いても、W-SIM内と同じ登録名で表示される。やはり本体メモリ内にW-SIMのアドレス帳の内容をコピーする、という仕様なのだろう。W-SIM対応端末の仕組みとしては非常に良く考えられており、1つのW-SIMで複数の端末を使うことがきちんと配慮されていることが分かる。
レビューの後編では、メール機能やWebブラウザ機能の使い勝手をチェックする。
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