連載
» 2004年10月02日 12時00分 UPDATE

一問一答式:BPM実践テクニック(1):BPM(ビジネスプロセス・マネジメント)って何ですか?

IT業界では「BPM」というキーワードがよく使われるようになってきた。そこにはシステム間連係をプロセス連係としてとらえようという狙いがある。ではビジネスの面から見てBPMの根本的なコンセプトとはどのようなものだろうか?

[林計寿,アルティマスジャパン株式会社]

筆者より

BPMという言葉は、IT業界ではなじみのあるキーワードとなりました。しかし、実際には「BPMって何?」「BPMってどうすればできるの?」というような質問をよく受けます。また、企業の中で実際に実践しようとすると案外、理論と実践のズレによって効果が出なかったというような話も耳にします。この連載では、できるだけ分かりやすい形で、“BPM”における基本的キーワードや理論、実際の現場で起きている問題・課題・失敗談などをモチーフに、具体的な考え方・方法論からウラ技・成功の秘訣を解説していきます。


 最初にやはり、このシンプルな質問に答えなければならないでしょう。質問はシンプルですが答えは案外、簡単ではありません。というより解釈の範囲によってとらえ方が、人によっても違うでしょう。

 今回は、一般的にBPMがどういったものかをご紹介しましょう。

ビジネスプロセスとは?

 “BPM”と書いて「ビー・ピー・エム」と読みます。ここで取り上げるBPMは、「ビジネスプロセス・マネジメント」のことです(「ビジネスプロセス・モデリング」の略としても“BPM”は使われます)。

 ビジネスプロセス・マネジメントとは簡単にいうと、「業務のプロセスを整理して、分析し、どうすれば効率的・効果的に仕事ができるのかという改善を継続的に行うこと」です。

 ビジネスプロセスとは、業務の小さなタスク(処理)が機能的につながったものだと考えてください。また、ビジネスプロセスのつながりが上位のビジネスプロセスとしてとらえられることもあります。

ALT ビジネスプロセスという考え方は、入れ子構造のものとしてとらえられる

BPRとの違い

 BPR(ビジネスプロセス・リエンジニアリング)やBPE(ビジネスプロセス・エンジニアリング)とどう違うのでしょうか。

 BPRは(簡単にいうと)、業務の改善を行うことで成果を上げようとする活動です。BPEは、ある目標値(ターゲット)に向けて業務プロセスを改善する活動です。なんだかややこしくなってきましたね。

 つまりBPMには、BPRとBPEを繰り返し行うという“継続的に改善活動を続けるためのサイクル”があるということです。

ALT 改善を継続的に行うのが、BPM

BPRツールの存在と意味

 “改善活動のサイクル”というと、QC活動シックスシグマを思い出す方がいるかもしれません。基本的なコンセプトとしては近いものがあります。

 ただ、BPMというとやはり「ITの活用」というイメージが強いかもしれません(必ずしもそのような定義があるわけではありません)。

 実際、BPMの実施をサポートするツールが世の中には数多く存在します。それらは企業内において、業務のプロセスを“分析”し、“改善”し、“導入”し、継続的に“運用”するというそれぞれのステージをコンピュータシステムを使ってサポートしてくれるものです。

 それぞれのステージが途切れることなく、スムーズに流れるように受け渡しできることも特徴です(これがスムーズでないと結局、効率が悪くなります)。

ALT 各種ツールからなるBPMツール(一般的イメージ)

 重ね重ねでくどくなるかもしれませんが、BPMはサイクルです。いったん、改善をして“それっきり”では、BPMとは呼べません。たとえBPMツールを購入し改善活動を実施したとしても、それがワンサイクルのみの活動であるならば、とても「BPMを実践している!」とはいえないのです。

 現実のビジネスの世界は、日々刻々と変化し続けています。今日の時点での最高の選択であっても明日も最高とは限りません。常に改善の可能性を見極めつつ、それを追いかけていくこと──継続的なコントロールが必要です。

 個々のビジネスプロセスにはそれぞれ、「タスクの意味」「適切なオーナー」「適切な処理タイミング」が含まれています。1つ1つのどのプロセスにも、それらのすべてが正しく割り当てられていることが大切です。

 これらを常にすべてにおいて、分析・改善・導入・運用のサイクルに適応させることは至難の業です。そこでコンピュータ・システムなどの手助けを借りて、BPMを実現していくことになるわけです。

 BPMは、BPRのようなドラスティックな大改革よりも、「日々精進」を指向するものです。その意味では、日常の簡単なビジネスプロセスの改善から取り組むことができるといえます。

 さあ、あなたも明日からBPMを実践してみませんか!

profile

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林 計寿(はやし かずとし)

神戸市生まれ。ビジネスマネジメントに関する造詣が深く、ITを有効的に活用するコンサルテーションを多業種の多くの企業に対して手掛ける。「ソフトウェア開発工程管理」に関する講演多数。IT・マネジメントなどに関する執筆活動を行う。日本システム監査人協会会員No.871。アルティマスジャパン株式会社代表取締役社長 兼 CEO(〜2004年9月)を経て現在に至る。


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