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» 2007年03月19日 12時00分 UPDATE

何かがおかしいIT化の進め方(31):ディスカッションテーマのおもちゃ箱(1) (1/4)

今回は、情報システム企画やプロジェクト計画の段階における問題を中心に、仲間同士や上司と部下の間で行うディスカッションのテーマを集めてみた。テーマには筆者なりの意見や理由も添えてあるが、筆者の意見を知っただけでは実際の自分の仕事には役立たない。各自が自分の考えを持つことが大切だ。

[公江義隆,@IT]

 本連載「何かがおかしいIT化の進め方」では、少ない経験の機会を生かし、実際に活用できる水準へ理解と実践力を育成するには、いろいろな人とのディスカッションや協働作業(コラボレーション)が重要であると説いてきた。

 エッセンスや結論だけを覚えておこうとするやり方では、試験の答案は書けたとしても、仕事の中で使えるものにはなかなかならない。また、仕事の効率を最優先して「他人のことは我関せず」といった、あまりにも個人主義的な雰囲気の中では、飛び抜けて優秀な人を除けば、人の育成はなかなか難しいように思う。

 なお、上記のディスカッションではそのプロセスが大切であって、1つの結論にまとめあげる必要は必ずしもない。また、このディスカッションはディベートにしないことが重要である。ディベートにしてしまうと、このときの主張に対して後々の仕事のときにまでこだわり、「あのときは○○と主張したではないか!」という人が時々いるからだ。

 今回は、情報システム企画やプロジェクト計画の段階における問題を中心に、仲間同士で、または上司と部下の間で、ディスカッションのテーマや話し合いの種にしていただけたらと、いくつかの問題とそれに対する筆者の意見と理由を書いてみた。

 ぜひ、できるだけ具体的なケースを挙げて、反論や違った見方の提示を試みていただきたい。

企画段階におけるディスカッションの材料

 ここから企画段階におけるディスカッションの材料を、8種類紹介する。ユーザー企業で利用する場合を想定して書いているので、コンサルタント/ベンダの立場の方が読む場合には、自社を顧客企業と読み替えてほしい。

ユーザー企業の情報化の引き金はITではなく、業務や組織の問題の中にある

 この題材では、まず自社の事業環境と経営方針をよく理解する必要がある。そして、そのためには、経営理念や経営方針・戦略、中期の経営計画・業務計画、その戦略とそれらの背景(事業環境など)をよく理解しなければならない。また、読むだけではピンと来ない抽象的な内容から、具体的なイメージとして理解するために、上司や(特に他部門の)同僚、部下と議論をしてみよう。

 立場が変われば視点も変わる。問題の多面的な見方が重要だ。

 たとえ経営戦略の定義を知っていようが、経営戦略に書かれている文言を覚えていようが、そのままでは役には立たない。それを当該部門に当てはめてみて、具体的にどういうことになるのかを考えることが大切である。

 まず、自社の経営理念や戦略/方針を自分の部門や自分の仕事に当てはめてみて、「では実際に何をどうすることなのか?」を考えることだ。

 具体的にイメージがわき難ければ、自分が所属する組織(会社)の経営戦略は何で、それをブレークダウンすると、自分の担当する仕事の中では何をどうすることかを考えることから始めてみてはどうだろうか。

情報システム化は業務(プロセス)と組織の改革・革新だ

 情報システム(IT)はこれらを支える有力な“手段・道具”として位置付け、“業務・組織改革を、1つの完結したプロジェクト”としてとらえよう。「ITはこの中における1サブプロジェクト」と位置付ける手法だ。

 そのためには、情報化・ITの企画には、経営課題・業務課題をブレークダウンするアプ○経営にとって、「投資と効果がワンセットで課題として完結」する

 そのために、情報システム作りの投資(コスト発生)のプロセスと、組織・業務革新の効果発現のプロセスを一貫したプロジェクトとして扱うことが重要だ。

 また、業務・組織革新企画?情報システム企画―システム開発―システム稼働―業務・組織革新の実施運用―投資評価までを、プロジェクトの範囲と考えよう。

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